新・ことば事情
7210「『シャドー』の平板アクセント」
電車の中で若い女性二人の会話が、聞くともなしに、耳に入って来ました。
「それで、そのシャドーが、全然合ってなくてぇ」
この「シャドー」という言葉のアクセントが「平板アクセント」で、
「シャ/ドー」
だったので、思わず、そうしゃべった女性の顔を、まじまじと見つめてしまいました。
話の流れから、その「シャ/ドー」というのは、
「『アイシャドー』のこと」
だとすぐにわかりましたが、一瞬、
「車道」
かと思いました。目の上に「車道」を塗ったら、そりゃあ大層びっくりしますね。
アクセントもそうですが、「アイシャドー」の「アイ」も略して「シャドー」って言うんだ。まあ、「アイシャドー」は「目の影」ですから、「影」って略してもおかしくはないんですが。
その物・言葉をよく使う人は、そうやって「アクセントが平板化」して、その後、「省略」されるという法則が、まさに当てはまる言葉でした。