新・ことば事情
7203「ノイローゼ」
2016年7月26日の「ミヤネ屋」の放送の準備をしていたら、Sディレクターが質問して来ました。
「『週刊新潮』の記事で、『介護ノイローゼみたいな』という表現が出て来るんですが、この『ノイローゼ』は使っていいんでしょうか?」
と質問が。『読売テレビ放送用語ガイドライン第三版』を見ると、「ノイローゼ」は、
「日本においては、多少悩んでいる状態から、うつ病、統合失調症のような重篤な精神疾患までも『ノイローゼ』と誤用することが多い。(中略)『近頃ノイローゼ気味で』などと用いるのは不可」
と記されていたので、「使わない」ことにしました。
その後、いろいろ調べて見ると、
2004年6月17日に自分のパソコン宛てに送った、
「育児ノイローゼ」
という言葉を見たという「ケータイメールのメモ」が残っていました。
そう言えば、高校生の頃に流行った「甲斐バンド」の曲で、
「テレホンノイローゼ」
というのがあったな。1978年ごろ。ウィキペディアで調べると、正しい表記は、
「テレフォン・ノイローゼ」
で、1976年12月20日に発売された、「甲斐バンド」の6枚目のシングルだそうです。へえー。
最近は「ノイローゼ」という言葉、あまり聞かなくなりました。
(追記)
と、ここまで書いてほったらかしになっていましたが、きょう(2019年8月27日)の「ミヤネ屋」で「ダニ」の研究で有名な国立環境研究所の五箇公一先生をお招きして「特定外来生物」について特集をした際に、
「刺されるとノイローゼになる痒(かゆ)み」
と表現がパネルで出て来たので、『読売テレビ放送用語ガイドライン第三版』に従って、この「ノイローゼ」という表現は使わずに、
「刺されると耐えられないほどの痒(かゆ)み」
という表現にしました。
(2019、8、27)