新・読書日記 2019_115
『資本主義と民主主義の終焉~平成の政治と経済を読み解く』(水野和夫・山口二郎、祥伝社新書:2019、5、10)
「2人の対談」のようではあるのだけれど、もしかしたら2人別々に話したものを、後から組み合わせたのではないか?というほど、「対談」感はない。それぞれの主張が織りなされているが、主張のメーンは水野さんで、山口さんはフォローに回っているような感じにも見られた。
見出しを並べると、
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新時代への期待~バブルとベルリンの壁、二つの崩壊
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危機感漂う世紀末~相次ぐ企業破綻から金融危機へ
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熱狂する国民~小泉政権と同時多発テロ
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新自由主義の席巻~リーマン・ショックと格差社会
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「神話」の崩壊~政権交代と東日本大震災
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長期政権と右旋回~そして安倍一強へ
こう並べると、確かに「平成」という時代は、そんな時代であったなあと思いました。
本書はさらに、
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平成とはどのような時代だったのか
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これからの一〇年
とまとめられる。それによると、「平成」は「始まり」ではなく「終わり」の時代であったと。「戦後政治」「メディア」「日本経済」「進歩の時代」「成長の条件」「エネルギー」「金余り」といったものが終わりを迎え、あるいは衰退していった。そのトータルは「資本主義」そのものが衰退、終わりを迎えようとしている。「生産力増強の時代が終わった」「ポスト近大は成長の時代ではない」と。
そうすると、これからどうすれば良いのか?
本書をお読みください。
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