新・読書日記 2019_113
『校閲記者の日本語真検×剣勝負』(東京新聞・中日新聞編、東京新聞:2019、6、27)
厳しいようだが、ハッキリ言って、期待外れ。もちろん「へえ、そうだったのか」というものもあったが、ほとんどは既知の情報ばかり。しかも「1ネタ1ページ」なので、深まりようがない。せめて「1ネタ見開き2ページ」は必要ではないか?
また、タイトルと、その下の用例と思われる【 】との区別が分かりにくい。見出しも中途半端。たとえば134ページの、
「先入観【喧々囂々 侃々諤々】」
は、「喧々囂々(けんけんごうごう)」と「侃々諤々(かんかんがくがく)」は、よく混交表現になってしまうが、それは「思い込み」=「先入観」が原因、という文章なのだが、これのタイトルを「先入観」にしますか?普通は混交表現である「喧々諤々(けんけんがくがく)?」にすると思いますね。
そのあたり、タイトルに全体としてのポリシーが感じられずに、わかりにくいです。
それと「序章」の「新聞の校閲という仕事」についての記述が長い!これはもう「序章」じゃありません、「第1章」でしょう。読者は具体的な事例を知りたいのだと思うので、これが最初に来ると、読む気を無くしてしまう。この部分はコラムにして分散させるなど、もっと工夫が欲しい。そして「序章」は長いのに、全体としては150ページしかない。せめて200ページにして、事例を増やすべきです。
クイズも中途半端。なんなら、全編「クイズ形式」にしたら良かったのに。
期待して注文して取り寄せたのに、残念な一冊でした。
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