新・読書日記 2019_106
『井上陽水英訳詞集』(ロバート キャンベル、講談社:2019、5、14第1刷・2019、6、10第2刷)
テレビでもおなじみのロバートキャンベルさんが、自身の入院を機に、井上陽水さんの曲の歌詞を「英訳」したもの。なぜ、そういったことになったのか、また実際に井上陽水さんとも交流があって、相談しながら話し合いながら作業を進めた様子などに関する記述が、本の前半半分を占めている。
取り上げられた50曲中、私が知っていた曲は、16曲だった。
日本語の歌詞を英語に訳す場合は「単数か複数か」問題が必ず出て来る。
たとえば若山牧水の「白鳥は悲しからずや」の歌では、「白鳥」は何羽なのか?
山形・立石寺で芭蕉が読んだ「岩にしみいるセミの声」の「セミ」は何匹なのか?
とか。同じ問題が出て来て、陽水さんに質問すると「それは考えていなかった」と。
異文化の衝突ですね。
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