新・ことば事情
7198「ミニカバか?コビトカバか?」
少し古い話になってしまいましたが、ことし3月12日放送の読売テレビ「かんさい情報ネットten。」で大阪・万博公園の動物園(?水族館?)の、
「ニフレル」
(「ニフレル」、行ったことないけど「~に触れる」から来ているのかな?ネーミングは)で、「ミニカバ」の赤ちゃん誕生の密着取材を放送していました。それを見ていたら、
「ミニカバ」
という表現に対してスタッフなどから、
「昔は『コビトカバ』と呼んでいたのではないか?『コビト』が差別的表現だから、名前が変わったのか?」
という疑問が出ました。私はまた、
「赤ちゃんのカバ(=カバの赤ちゃん)」
を指して「ミニカバ」と言っているのかと思っていました。
それから3週間がたった4月3日、何気なく見ていたテレビで、カバが気持ちよさそうに泳いでいるコマーシャルが流れていて、そこに、
「コビトカバ」
の文字が。どこのコマーシャルかなと思ったら、
「神戸どうぶつ王国」
のコマーシャルでした。関西の動物園でも、動物園によって呼び方が違うんだ!
つまり「コビトカバ」という表現が禁止されているわけではなく、それよりも「ミニカバ」と言ったほうがかわいいから、そう呼んでいるのかな?と思いました。
調べてみると、「ミニカバ」は「コビトカバ」の「別名」で、学名では、
「カバ科コビトカバ属」
に属する偶蹄目(ぐうていもく)ということです。
グーグル検索では(8月6日)、
「ミニカバ」 = 7万8200件
「コビトカバ」=21万2000件
と、「コビトカバ」のほうが3倍多く使われていました。
ちなみに、10年ぐらい前(2007年)に、日本魚類学会が「差別的な魚類の名前」を「改名」したことがありました。その場合は、
×「アシナガゲンゲ」→〇「ヤワラゲンゲ」
×「オシザメ」 →〇「チヒロザメ」
×「セムシウナギ」 →〇「ヤバネウナギ」
×「テナシゲンゲ」 →〇「チョウジャゲンゲ」
×「ミツクチゲンゲ」→〇「ウサゲンンゲ」
×「メクラアナゴ」→〇「アサバホラアナゴ」
×「メクラウナギ」→〇「ホソヌタウナギ」
という具合でした。