新・ことば事情
7195「バイカモのアクセント2+ハリヨ」
7月24日の「かんさい情報ネットten.」で、滋賀県米原市の醒ヶ井町を、黒木千晶アナウンサーと若一光司さんが散策してリポートしていました。その中で、
「梅花藻」
という「藻」を紹介していました。
「バイカモ」
と読みます。涼し気な緑の藻の上に、梅の花のような花を咲かせるため、
「清流の妖精」
とも呼ばれるそうです。
この「バイカモ」のアクセント、関西人の若一光司さんは、
「バイ/カ\モ」
と「カ」だけが高い「中高アクセント」で話していましたが、黒木アナウンサーは、
「バ/イカモ」
と「平板アクセント」で読んでいました。
実は、放送前に黒木アナウンサーが、
「道浦さん、アクセント辞典にも載っていないんですけど、アクセントはどっちでしょうか?」
と質問してきたのです。
「『梅花』のような花を咲かせる『藻』だから『バイカ+モ』で、『バ/イカ\モ』かなあ。でもそうすると『倍かも...』って感じになるなあ。でも『バ/イカモ』と『平板アクセント』にすると『ア/イガモ』みたいだしなあ・・。」
と答えてから、数年前にこれに関して書いた覚えがあったので検索してみたら、やはり3年前に書いていました。(平成ことば事情6132「バイカモのアクセント」)
そこでは諸國アナウンサーが、「平板アクセント」で、
「バ/イカモ」
と読んでいたと記されていました。「どちらが正しい」という結論は書かれていませんでしたが、
「じゃあ、『平板』かな」
と答えたのでした。
それともう一つ、アクセントの質問を受けたものは、
「ハ/リヨ」
と呼ばれる川魚。この魚は、体長5センチほどの、針のような細くて小さな魚で、調べてみたら、
「針魚」
と書くそうです。「魚(ウオ)」の語源は「イオ」なので、
「ハリ+イオ」→「ハリヨ」
になったのではないかな、と思います。それで言うと、「平板アクセント」で、
「ハ/リヨ」
で良いのではないかなと答え、そのように放送されました。
また来年、あるいは2年後か3年後のこの季節に、登場しそうな気がします。