新・ことば事情
7174「ビイル」
先月の新潟出張で見つけた「風味爽快ニシテ」という地元のサッポロビールのラベルには、
「新潟限定ビイル」
という表記が。
普通は、
「ビール」
というように「長音符号」(「-」)で引っ張りますよね。でもこれは
「イ」
という表記を使っていて、ちょっと「レトロ」な感じがしました。
でも、昔は本当に「ビイル」と書いたのかな?と思って、少し古めの本を読んでみることにしました。そのうちの一冊は、
「太宰治」の『ろまん燈籠』」(新潮文庫:1983、2、25第1刷・2004、8、30第25刷)=「2019読書日記075」で、そこに、
「ビイル」(15・188・218・219・236・237・238)
が出て来ました!(数字はページ数)
その他の「長音符号を使わない長音」も記しておきます。
モンテエニュ(11)
ゲエテ(11)
ホオムズ(19)
セエタア(31)
デリカシイ(40)
ピアノのキイ(52)
モオツアルト(52)
メンデルスゾオン(52)
アアメン(52・53)
ウイスキイ(66)
ロオマンス(66)
ミルクホオル(70)
電車のレエル(71)
シルレルの詩(74)(=ベートーベンの「第九」の歌詞「歓喜の歌」を書いた「シラー」)
二階のホオル(78)
外国のサアカス(78)
バアナアド・ショオ(84)
ビヤホオル(85・188)
ヴェルレエヌ(97・98)
ファン・レタア(132)
純白のシイツに寝る(154)
タキシイ(155)
ラジオニュウス(164)
重大なニュウス(165)
クリイム(167)
銀座裏のバアの前(179)
ニイチェ(183)
つぎのペエジ(183)
ウィスキイ(186・189)
ビエルなど東北訛りが(188)
店のカウンタア(189)
モオニング(249・250・251・252)
ユウモア(260)
そういえば、小林秀雄のエッセイのタイトルも、
「モオツアルト」
だったなあ。「-」を使わないと、
「のんびりした感じ」
がしますね。