新・読書日記 2019_070
『1979年の奇跡~ガンダム、YMO、村上春樹』(南信長、文春新書:2019、4、20)
「1979年」=「昭和54年」という年は、私は高校3年生・受験生でした。もちろん、いろんなことを覚えている年です。その年が、実は「ガンダム」「YMO」「村上春樹」、さらには「ルパン三世 カリオストロの城」「SONY・ウォークマン」「地球の歩き方」「江夏の21球」といった現代につながる伝説的な人・モノ・芸術が始まった年である、という切り口で書かれた本。1979年は「ポップカルチャー・ワンダーランド」だったと。そういえば「軽チャー」なんて言葉が生まれたのは80年代だけど、その「胎動」が、1979年にはあったかもしれない。
1979年にソ連(!懐かしい響き!)のアフガン侵攻が始まって、翌年のモスクワ五輪を、日本はアメリカに歩調を合わせてボイコット。五輪のない年でしたね。
その年に私は大学生活が始まった。東京での下宿暮らし。初めて親元を離れての生活。80年代は「自由」への切符をもらった年でしたね、私は。その意味で、その前年も印象深い年でした。
著者の南信長さんは、1964年生まれ。私、南さんのツイッターをフォローしています。私より3つ年下なので、同じように「青春真っただ中」であったが、やはりこの時期の「中3」と「高3」では、だいぶ感じ方が違っただろうなと思う。今は共に「50代半ばのおっちゃん」ですが。
「1979年」のいろいろなものについて書いてあり懐かしいが、その中に「角川映画と情報誌」についても書かれていて、
「おやおや、これは中川右介さんの縄張りだな」
と思ったら、案の定、巻末の参考文献に中川さんの本も出て来ました。
楽しい一冊でしたね。
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