新・読書日記
2019_078
『真夜中の太陽』(米原万里、中公文庫:2004、8、25)
米原万里さんが亡くなってもう13年経つのか・・・2006年の5月25日没。
ツイッターで見かけた「ブレジネフ書記長」に関するアネクドート(政治的小噺)を、どこで読んだのか、阿刀田高か米原万里か?と思って、米原さんの本を読み返してみた。ブレジネフのアネクドートは見つからなかったが、斜め読みしていて気付いた。
15年前の本は、字が小さい。
いや、そういうことではなく、
「米原万里さんのエッセイは、それ自体がアネクドートである」
と。クスッと笑わせて、チクッと刺す。
「1990年代後半から2000年代前半にかけて、あれだけ忠告したのに、ほ-れ、ごらんなさいな」
と、あの世で言っていることだろう。
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(2019、6、18読了)
2019年6月20日 19:07
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新・読書日記
2019_077
『天皇陛下と美智子さまの言葉~国民に寄り添った60年』(近重幸哉、祥伝社:2019、4、10)
天皇皇后両陛下、現・上皇さまご夫妻の皇太子時代から天皇時代までのお言葉をまとめたもの。貴重。一つ一つの言葉が重い。当然のことながら、思い付きの言葉ではなく、練りに練られたお言葉で、一言一句、疎かにできない重みを持っている。
言葉って「軽い言葉」「重い言葉」って言うけれど、本当にそれがあるのだなと思わせる言葉の数々だ。心して読むべし。
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(2019、6、9読了)
2019年6月11日 17:24
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新・読書日記
2019_076
『現代に生きるファシズム』(佐藤優、片山杜秀、小学館新書:2019、4、8)
目からウロコの一冊。
抜き書きします。
「イスラム原理主義には生産の思想がない。従って、自立できず資本主義体制に寄生することしかできないので、共産主義やファシズムのように抜本的な社会転換をもたらす力がない。」(5ページ)
「労働者にストライキ権を認めず、生産性向上を志向するファシズムは(中略)イタリア型ファシズムとドイツのナチズム(民族社会主義)を区別すること」(6ページ)
「イタリア型ファシズムは、国家の介入によって資本家の利潤を社会的弱者に再配分し、戦争によって外国を侵略し、そこから収奪した富で自国民を豊かにするという、民族や文化にとらわれない普遍的な社会理論の性格を帯びている。」(6~7ページ)
ということで、
「ファシズムは、全てが悪ではない」
という一冊なんですね。ドイツのナチスのようなファシズム(ナチズム)やソ連のスターリン的全体主義はダメだけど、イタリアのムッソリーニ的ファシズムは良かった、という視点なのです。
「えー!?そうなの?」
と思いますよね。排他的な民族主義的なファシズムはすぐに滅びるが、「加わる物はウェルカム」という帝国(主義)的なファシズム・足し算主義(拡大主義)はOKなのだと。本当かなあ。
ファシズムは出自や民族・人種は問わないと。そんな「論理どおり」にいくのかな?いかなかったんじゃないの?
「ファシズム」と「ナチズム」の決定的な違いは「障害者差別」(66ページ)だと。
ナチズムは優生思想で障害者の安楽死や人工中絶手術を行ったが、ファシズム体制下のイタリアでは障害者を保護したと。そうか、日本の「旧・優生保護法」(1948〜1996年)下での強制的な不妊手術の裁判がニュースになっているが、あれもつまりは「ナチズム的」な行動だったのですね。それが戦後もずっと続いていた。日本は「イタリア的ファシズム」ではなかったということか。
少し「本当かなあ」という部分もありながらも、勉強になる一冊でした。
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(2019、5、11読了)
2019年6月11日 17:23
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新・読書日記
2019_075
『ろまん燈籠』(太宰治、新潮文庫:1983、2、25第1刷・2004、8、30第25刷)
2019読書日記071で書いた『二度読んだ本を三度読む』(柳広司、岩波新書)に出て来たので、「そういえば、全部は読んでなかったなあ」と思って、この短編集を本棚から取り出してきて読んだ。
今回は、実は話を読むよりも「言葉チェック」だった。太宰が外来語の表記、特に、
「長音表記」
についてどのように書いているかをチェックしてみました。これは昭和15年(1940年)ぐらいに書かれたものです。
結論から言うと、太宰はあまり「長音符号」の「-」を使わない傾向が見られました。
具体的に挙げます。(数字はページ数)
モンテエニュ(11)
ゲエテ(11)
ビイル(15・188・218・219・236・237・238)
ホオムズ(19)
セエタア(31)
デリカシイ(40)
ピアノのキイ(52)
モオツアルト(52)
メンデルスッゾオン(52)
アアメン(52・53)
ウイスキイ(66)
ロオマンス(66)
ミルクホオル(70)
電車のレエル(71)
シルレルの詩(74)(=ベートーベンの「第九」の歌詞「歓喜の歌」を書いた「シラー」)
二階のホオル(78)
外国のサアカス(78)
バアナアド・ショオ(84)
ビヤホオル(85・188)
ヴェルレエヌ(97・98)
ファン・レタア(132)
純白のシイツに寝る(154)
タキシイ(155)
ラジオニュウス(164)
重大なニュウス(165)
クリイム(167)
銀座裏のバアの前(179)
ニイチェ(183)
つぎのペエジ(183)
ウィスキイ(186・189)
ビエルなど東北訛りが(188)
店のカウンタア(189)
モオニング(249・250・251・252)
ユウモア(260)
<長音符号>
ペーパーナイフ(44)
チョコレート(53)
ヴィクトル・ユーゴー(67)
ビール(97)
ジャンパー(165)
<その他>
グワム空襲(167)
面白いなあ(12)
ばかだなあ(32)
なあんだ(46)
ああ、むずかしい(46)
ということでした。
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(2019、6、6読了)
2019年6月 9日 17:29
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新・読書日記
2019_074
『空母いぶき1』(かわぐちかいじ、協力・惠谷治、小学館:2015、10、5)
以前、尖閣の問題が起きた頃に、タイムリーな漫画だと思って「読もう!」と買って置いたのだが、どうも登場人物の描き分けがよくわからないので、読めなかったが、今回、映画を見て「よし、これなら読める」と読み出した。知り合いのA先生も「大人買い」したそうだから、私もこれから読むかな。この第1巻は「映画」のお話が始まる前の話でした。楽しみ。
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(2019、6、4読了)
2019年6月 9日 17:25
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新・読書日記
2019_073
『マリアージュ~神の雫 最終章17』(亜樹直・作、オキモトシュウ・画、講談社:2019、1、23)
新刊発売の広告は出ているものの、本屋さんでも、なかなか見つけることが出来なかった。あまり売れてないのかな?取り寄せてもらいました。
内容は、一番の山場、いよいよ「神の雫」の決戦の大一番、「中華料理」しかも、あの辛い「麻婆豆腐」にマリアージュできるワインを探り当てるという難問。
これ、連載漫画は読んでいたのに、読んだ覚えがなかったんです。見逃していたのかな?
ネタばれですが、要は、王大人が求めていたのは、やはり普通の豆腐ではなく中国・内陸部の海がない地方の豆腐=「にがり」を使わない「石膏豆腐」と呼ばれるもので、それにマリアージュさせなければいけなかったということですね。もう、コナンばりの推理合戦なんですね、このワインの物語は。そこが面白いんですけどね。
次は「日本ワイン」がテーマになっているようですよ!
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(2019、6、5読了)
2019年6月 9日 17:24
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新・読書日記
2019_072
『警察用語の基礎知識』(古野まほろ、幻冬舎新書:2019、3、30)
サブタイトルは「事件・組織・隠語がわかる!!」
やはり仕事柄、俗語とか隠語とかにも興味がありますからね。
著者は、東大法学部を出て警察庁キャリア警察官。警察大学校主任教授を最後に退官。今は作家。有栖川有栖、綾辻行人両氏に師事したというから、その手の小説なのね。でもこれは、「元職」の「警察」に関する一般書。勉強になりますね、現場の話だし。
詳しくは、読んでもらったらいいんですが、まあ一言で感想を言うと、
「刑事ドラマなどで使われている刑事の言葉は、必ずしも現場では使われていない」
ということですかね。たとえば、「犯人」のことを、
「ホシ」
とは言わないんですって!へえー。
警察・刑事関係の漫画や小説を読むときに、参考になります!
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(2019、6、1読了)
2019年6月 5日 15:11
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新・読書日記
2019_071
『二度読んだ本を三度読む』(柳広司、岩波新書:2019、4、19)
「一度読んだ本を、二度読む」ことさえ難しいのに「二度読んだ本を、三度も読む」の?
と思ったら、もう著者の術中に、はまってしまっています。
で、この本を買って読んだ。
でもちょっと、やはり買うに値するか(つまり面白いか)を疑って、まず目次を読んでみて、面白そうな本が取り上げられているか確認したところ、紹介された18冊の本の中に、ジョージ・オーウェルの『動物農場』があり、スウィフトの『ガリヴァー旅行記』があったので「よし!」と買って読んだ。
他に紹介されていた本で読んだことがあったのは、『シャーロック・ホームズの冒険』(コナン・ドイル)、『山月記』(中島敦)、『ろまん燈籠』(太宰治)、『キング・リア』(シェイクスピア)ぐらいかな。
実は、漱石の『それから』は読んでいない。『星の王子様』のサン=テグジュペリが書いた『夜間飛行』も読んでいないと思う。司馬遼太郎は『坂の上の雲』は読んだが『竜馬がゆく』は読んでいない。あ、太宰の『ろまん燈籠』も、その中の一編は読んだが、当の『ろまん燈籠』は読んでいなかったから、これを機に読んでみた。そういうきっかけになったので、良い本だと思う。
『動物農場』に関する記述なんか、全部の文章に赤線を引いてしまったぞ!
ぜひ読むべきだ。
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(2019、6、2読了)
2019年6月 4日 21:02
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新・読書日記
2019_070
『1979年の奇跡~ガンダム、YMO、村上春樹』(南信長、文春新書:2019、4、20)
「1979年」=「昭和54年」という年は、私は高校3年生・受験生でした。もちろん、いろんなことを覚えている年です。その年が、実は「ガンダム」「YMO」「村上春樹」、さらには「ルパン三世 カリオストロの城」「SONY・ウォークマン」「地球の歩き方」「江夏の21球」といった現代につながる伝説的な人・モノ・芸術が始まった年である、という切り口で書かれた本。1979年は「ポップカルチャー・ワンダーランド」だったと。そういえば「軽チャー」なんて言葉が生まれたのは80年代だけど、その「胎動」が、1979年にはあったかもしれない。
1979年にソ連(!懐かしい響き!)のアフガン侵攻が始まって、翌年のモスクワ五輪を、日本はアメリカに歩調を合わせてボイコット。五輪のない年でしたね。
その年に私は大学生活が始まった。東京での下宿暮らし。初めて親元を離れての生活。80年代は「自由」への切符をもらった年でしたね、私は。その意味で、その前年も印象深い年でした。
著者の南信長さんは、1964年生まれ。私、南さんのツイッターをフォローしています。私より3つ年下なので、同じように「青春真っただ中」であったが、やはりこの時期の「中3」と「高3」では、だいぶ感じ方が違っただろうなと思う。今は共に「50代半ばのおっちゃん」ですが。
「1979年」のいろいろなものについて書いてあり懐かしいが、その中に「角川映画と情報誌」についても書かれていて、
「おやおや、これは中川右介さんの縄張りだな」
と思ったら、案の定、巻末の参考文献に中川さんの本も出て来ました。
楽しい一冊でしたね。
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(2019、5、7読了)
2019年6月 3日 20:59
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新・読書日記
2019_069
『東大から刑務所へ』(堀江貴文・井川意高、幻冬舎新書:2017、9、30第1刷・2017、10、1第2刷)
著者というか対談の二人、どちらもはっきり言って好きなタイプではない。でも興味は一応ある。新刊で買って読もうとは思わなかったのだが、たまたま新古書店に行ったらあったので、新刊の定価が820円のところが、古本は300円だったので買って読んだ。
刑務所内での様子と言うのが面白かった。堀江は長野の刑務所で、井川は栃木の刑務所。長野の方が重い犯罪を犯した人も入る所らしいが、ホリエモンによると「メシ」は良かったと。栃木のメシは、井川によるとダメだったと。やっぱり「メシ」の話になるのね、人間、どこかに閉じ込められたら。
私も刑務所ではないが、網膜剥離で病院に入院していた時には、楽しみと言えば「メシ」とか「お菓子」でしたね。酒は飲めないからね。
ま、入りたくはないが、ちょっと知ってみたい「刑務所生活」の「実録対談」ということでは意味のある一冊でした。
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(2019、5、23読了)
2019年6月 3日 16:53
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新・読書日記
2019_068
『橋を渡る』(吉田修一、文春文庫:2019、2、10第1刷・2019、3、5第2刷)
2014年~2015年にかけて『週刊文春』誌上で連載された小説。『週刊文春』は毎週読んでいるが、連載小説は全く読んでいないので、こんな作品だとは知らなかった。
他の本を読んでいて「これは読むべきだ」と思い、文庫を購入して読んだ。(単行本は2016年に出ていたが、知らなかった。)
物語は大きく分けて「4つ」に分かれている。まず、別々の人物(主人公)の、現代における「3つ」の物語・エピソードが語られる。最初は、
「これは一体、どういうことなんだ?」
と思う・それが4つ目の物語、これは「未来」の話なんだが、そこに収斂していく。ある種の「パラレルワールド」的な、また「縁(えにし)」とでもいうべき感じか。すべてのことはつながっているんだよ、という感じで、「点」と「点」だった内容が「線」に繋がり「面」を構成して立体的になっていく。
これ、単行本や文庫本で一冊になっているからいいけど、「週刊誌の連載」で読者が全体像をつかむのは、相当難しかったのではないか?
この、ある種「ディストピア的小説」から、「現代」を生きる我々は、「未来」を見据えた(予測した)行動を取らなくてはならないと、強く感じた。
そういうことを言いたかったんじゃないのかな?吉田修一は。
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(2019、5、21読了)
2019年6月 1日 22:44
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新・読書日記
2019_067
『「日本国語大辞典」を読む』(今野真二、三省堂:2018、9、13)
今、飯間さんと並んで、一番精力的に「日本語」のことについて書いてらっしゃるのは、今野先生ではないか。次々本が出る。
これは、あの「あ」から「ん」まで13巻もある日本最大の国語辞典『日本国語大辞典・大二版』を「読んでみた」という企画ですね。私も『新明解国語辞典』は、以前1600ページぐらいのものを2か月かけて読んだことがありますが、これは規模が違う!『日国・第二版』、私も持っているが、読み通そうとは思いません。できません、そんなこと。もうそれをやったら、お坊さんで言うところの「千日回峰」ぐらいなもんで、「日本語の大阿闍梨」ですね。
今野先生は、2010年に出た『そして、僕はOEDを読んだ』という本に触発されて『日国』を読みだしたそうですが、実はその本は、私も買ったが、9年経ってもまだ読んでいない。その差ですねえ・・・。
で、今野先生が読み通して気付いた点を書き出したという一冊。マニアックですねえ。でも、好きです。
もちろんこれは、今改訂中であろう次の『日本国語大辞典・第三版』のためにぜひとも役立てて頂きたいですね。
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(2019、4、25読了)
2019年6月 1日 22:42
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新・読書日記
2019_066
『鉄条網の世界史』(石弘之・石紀美子、角川ソフィア文庫:2019、1、25)
帯には、
「世界で分断が加速するのはなぜか」
「安価なローテク兵器が人類の冷酷さをあぶりだす」
という文字が。「ローテク兵器」?何のこと?と思いながら読みだす。
著者は同じ「石」という少し珍しい名字。夫婦かと思ったら、何と紀美子さんは「娘さん」だそうだ。お父さんは1940年生まれの元・朝日新聞記者で、娘さんは元・NHK記者というマスコミ家族。でもその後は、二人とも国連や国際関係の仕事をされていたようだ。
ふだん気にも留めない「鉄条網」は、アメリカ西部開拓時代に、牛たちを囲い込むために発明されたものだそうだ。確かに安価で、持ち運び等も手軽でしょう。しかも効果抜群。
しかし、それによって何と「生態系」まで変わってしまったのだという。
そして「動物」を囲い込むものが、次第に「人間」を囲いこんだり、戦争では塹壕の前に張り出して「防御兵器」となったり。
人種の憎悪の「壁」となり、「強制収容所」は「鉄条網」で手軽に作ることが出来るようになってしまった。そして、「ベルリンの壁」、「なげきの壁」...。
そうだ、今トランプのアメリカは、メキシコとの間に「壁」を作っているではないか。「ゲーティッドシティー」というのもあるな。なぜ「壁」で仕切ろうとするんだろう、人間は。「防御」は「安全」のため。その「安全」とは「自分達だけ」というコミュニティー。そのための手段として「鉄条網」が使われる。
究極的には、人間と人間の間に鉄条網なんか使っちゃいけないのではないか?
今、使われている鉄条網は、昔の単純なものよりも効果的な新しいものだという。気付かなかった。
鉄条網がなくなれば、いったん崩れた生態系が元に戻ったという。そこから人間は、何を学ぶのか。
文庫本だけど、大変読み応えのある、大きな内容の一冊です!
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(2019、4、15読了)
2019年6月 1日 22:40
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新・読書日記
2019_065
『ふたり~皇后美智子と石牟礼道子』(髙山文彦、講談社文庫:2018、11、15)
単行本は、この文庫本と同じく講談社から2015年9月に出ていたが、それは気付かなかった。
平成の終わるこの時期、「皇后・美智子」さま、そして昨年亡くなった「石牟礼道子さん」に惹かれて、そして書き手の「髙山文彦さん」に惹かれて購入。サブタイトルを読まなければ、絶対に、手に取っていない一冊。「平成」のうちに読まねば!と読んだ。皇后さまと石牟礼さんは、期せずして「名前」が同じ「みちこ」だったのだなあと。
そして、その皇后・美智子と石牟礼道子は、数回にわたって会って、言葉を交わしている。
水俣病の患者にも天皇皇后両陛下はお会いになっている。「海づくり大会」という、ご公務の中でも重視されているものが、熊本で行われた際に。
水俣病の元となった有機水銀を垂れ流した会社・チッソの社長を10年に亘って務めた江頭豊は、皇太子妃(現・皇后さま)の雅子さまの「母方の祖父」なのである。息子の嫁(雅子さま)がそういった「重荷」を背負っていることを、義父ぼである天皇皇后両陛下(現・上皇ご夫妻)は、もちろんしっかりと認識している。その上での熊本訪問であった。
「令和」の時代になった際に、皇后・雅子さまの「父方の祖父」(新潟)の話は出てきたが、「母方の祖父」の話は出て来なかった。しかし、皇后となられた雅子さま、そしてその夫である天皇陛下にとって、この問題は終わっていない。今後、どう対応されるのだろうか。何よりも「水俣病」の問題はまだ終わっていないのに、政府も国民も「過去のこと」として関心を示さない。
あれ?これって、同じことが今、起きていないか?
福島の原発・放射能による汚染水の問題は、まだ終わっていないどころか、日々汚染水は増え続けているのに、もう終わったかのように関心を持たない政府、国民・・・。
結局、同じことを繰り返しているじゃないか、ニッポンは・・・。
過去に学ばない民族なのだろうか・・・。
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(2019、4、29読了)
2019年6月 1日 22:37
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新・読書日記
2019_063
『名画で学ぶ主婦業~主婦は再びつぶやく』(田中久美子・監修、宝島社:2019、6、8)
去年「ミヤネ屋」で紹介して、吹き替えを担当しました。先日放送した今回の第2弾も、また吹き替え担当。「トリビアの泉」風にやってみました。今回も面白かった。
でもね、分かりました。「主婦」という仕事の「苦しみの原因」と言うか「笑いの根源」にあるもの。それはつまり「主婦の仕事」は次の「3つ」からできていると。
-
家事
-
育児
-
親戚などの人間関係。
「悩みの元」であり「笑いの元」であるのは、この3つだね。
そこを、夫婦で分かち合っていかないとね、と思いました。笑っているうちはいいけど、いつか爆発しますよ。
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(2019、5、22読了)
2019年6月 1日 21:55
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新・読書日記
2019_062
『チェ・ゲバラとキューバ革命』(内藤陽介、えにし書房:2019、2、25)
「ポスタルメディアで読み解く」とサブタイトルが付いているが、もう今回これは「ポスタルメディア」はまさに「サブ」で、「チェ・ゲバラ」を狂言回しとして「その時代」を詳しく詳しく、まるでその時代をゲバラと一緒に見て来たかのように説いていく「千夜一夜物語」のような、「世界史の教科書」のような。だって、2段組で693ページもあるんですよ!もう「辞書を読んでいる」ような感じでした。頑張りました。お値段も3900円+税」ですから、辞書並みです。
丁度この本を読んでいる時に見に行ったJリーグの「ガンバ大阪対浦和レッズ」の試合で、レッズのサポーターが振り回している大きな旗に、ゲバラのあの有名な顔のデザインのものがあって、奇遇だなと思いました。
ゲバラはフェデル・カストロの盟友でもあったが、途中で遠ざけられた。カストロと言えばキューバだから、ゲバラもキューバ人かと思っていたら、アルゼンチン人なんですね。しかも"汎中南米人"のような感じなんだなあ。勉強になりました。
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(2019、4、30読了)
2019年6月 1日 21:53
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