新・ことば事情
7149「二斗杯」
5月1日、「令和」初日の「ミヤネ屋」で、「皇后さまゆかりの地」である新潟・村上市にある皇后雅子さまの父方の祖父の家(今は記念館)にある、皇后雅子さまご成婚(平成5年=1993年)を記念して作られた、
「二斗杯」
という大きな杯を紹介しました。
「二斗=36リットル」
なので、中継リポーターが、
「記念の二斗杯、ご成婚を祝してつくったものなんですが、一斗が18リットルですから、
二斗、36リットルのお酒がそそぎこめる、日本一の木製の大杯ということで(後略)」
と紹介したところ、視聴者の方から、
「36リットルも入るとは思えない。」
というご意見が。
これは私も「そうだなあ」と思い、現地の「杯の紹介プレート」の写真を確認してみたところ、たしかに、
「二斗=36リットル入る」
と書かれています。
「杯の直径が75センチ」
ということで面積を計算し、そこから、
「どのくらいの深さならば、36リットルになるか?」
を計算したところ、
「約8センチ」
なければ「36リットル」は入らないとことがわかりました。
どう見てもそれだけの深さはないので、あくまで「単位としての二斗」というよりは
「そのぐらいたくさん、入りそう」
という"誇張表現"だと思われます。
「七色の変化球」「五色沼」
など、「具体的な数字」を意味するのではなく、「たくさん・量が多い」ことを表す表現と言えるのではないでしょうかね。