新・読書日記 2019_053
『ベートーヴェンを聴けば世界史がわかる』(片山杜秀、文春新書:2018、11、20第1刷・2018、12、10第2刷)
西洋音楽の歴史は、当然のことながら、その時代背景と無関係ではない。
言われてみれば当たり前のことだが、言われるまで気付かなかった。
「絵画」に関しては、その昔、スペイン・マドリードのプラド美術館に行った際、時代ごとに並べられた絵の作者(画家)の「所属国」が、
「その時代の"世界を支配した国"である」
ことに気付き、
「画家のパトロンはお金持ち、つまりその時代に栄えていた国なのだろう」
と推測が付きましたが、いろんな意味で「音楽」はその傾向がもっと強いのかもしれません。そういった視点で音楽家・作曲家の曲と人物を読み解いていく。面白そうではありませんか!!実際、面白かったです!
グレゴリオ聖歌は「一神教」だと。ポリフォニー・楽器は「多神教」につながっていくと。「オペラ」は「俗」の世界だと。それはそう思う。カトリックの大本「バチカン」を抱える「イタリア・ローマ」で、「俗世間の音楽」として「オペラ」が人気を博し成長を遂げた。「俗と聖」、おお、まさに「ダヴィンチ・コード」「天使と悪魔」「インフェルノ」「オリジン」などで知られる作家、ダン・ブラウンの描く世界ではないですか!
そして「ベートーベンの時代」の交響曲は「うるさい」音楽でその「うるさい」のが「新しかった」のだと。
ワーグナーの時代にナショナリズムの勃興があり、それが結びついて行くのを見ても、音楽と時代は共に寄り添って影響し合っているのだなということが、よくわかりました!勉強になりました!
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