新・ことば事情
7140「投げキッス」
「キス」と「キッス」
普通は「キス」と言い、「キッス」はちょっと古風な感じですね。「ザ・ヴィーナス」が歌った曲の曲名で、
「キッスは目にして!」
というのがありました。ベートーベンの「エリーゼのために」に日本語の歌詞を付けてオールディーズ風にアレンジした曲。作は何と阿木燿子さん!(その昔、同じ「エリーゼのために」に日本語の詞を付けた「情熱の花」という曲を「ザ・ピーナッツ」も歌っていましたが。)
これは「キッス」ですが、この曲が発売されたのは、
「1981年7月25日」
です。すでに、そのときでも「キッス」は古風な感じだったと思います。でもその2年後の1983年4月には松田英子の13枚目のシングルで、
「天国のキッス」
が出ています。作詞は松本隆。ということは子の頃「キッス」が流行っていたのかもしれません。
それはともかく、意味上は「キス」=「キッス」で同義ですが、使われ方が違う、ということに気付きました。つまり、何かというと、
「投げキッス」
とは言っても、
「投げキス」
とは言わない、ということですね。
グーグル検索では(4月22日)、
「投げキッス」=106万0000件
「投げキス」 = 39万8000件
でした。「投げキス」も結構出て来ましたが、普通は言わないでしょう。何だか、
「魚のキス(鱚)」
を投げているみたいです。