新・読書日記 2019_047
『ドラマへの遺言』(倉本聰・碓井広義、新潮新書:2019、2、20)
テレビ関係の本は大体見つけたら買うが、すぐに読むかといううとそうでもなくて積んどくになる物も多い。この本も読みさしになっていたが、ショーケン(萩原健一さん)が亡くなって「傷だらけの天使」に注目が集まったことで、「傷だらけの天使」の脚本家・倉本聰のことについて「読むなら今だ!」と読みだしました。
倉本聰を師と仰ぐ元テレビマンユニオンのディレクターで現在、上智大学教授の碓井広義が、倉本聰に対してロングインタビューする形式で綴られているが、これは本当に面白い「歴史書」のように感じた。(装丁に関して注文を付けると、倉本の発言部分が「濃い太字」で、碓井の発言や地の文が「薄めの字」で書かれているのだが、老眼にとってこれはきつい。同じ濃さで段落を一つ下げるとか、そういった工夫をしてほしかった。)
倉本は昭和10年の早生まれで、うちの両親も昭和10年生まれで、ほぼ親の世代。学年は1つ上だが、2浪して東大に入っているので大学卒業はうちの親より1年下。同世代だな。
実は私は「傷だらけの天使」も「北の国から」も「やすらぎの郷」も見ていないのですが、それでも、大変興味深く、面白く読めました。
昔のテレビ局、無茶苦茶やなあと。そういう時代だったんだよなあ、というエピソード。
ドラマの打ち上げを、熱海かどっかの温泉旅館でやったときに、愛人を連れて来た上司の部長がいて、ムカついたので別の局の別のドラマで、何と倉本さん、「実名」でそのエピソードを入れたドラマ作っちゃったと。今なら大問題だよなあ。
これは笑いながら、呆れました。
でも、テレビマンは必読の書だと思う。
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