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『道浦TIME』

新・ことば事情

7134「バンか?とワンボックスカーか?」

報道の若い記者に質問を受けました。

「引っ越しシーズンなのですが、引っ越しで荷物を運ぶ車は『バン』でしょうか?『ワンボックスカー』でしょうか?」

私は、こんな感じで答えました。

『「車の呼び名の分類」には、いくつか基準がありますね。

(1)形態=セダン、クーペ、オープンカー、ワンボックスカー、

(2)用途(使用目的)=パトロールカー(パトカー)、消防車、タクシー、宣伝カー、街宣車(街頭宣伝車)、スポーツカー、キャンピングカー、SUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル=スポーツ用多目的車)、RV(レクレーショナル・ビークル=余暇を楽しむための車。アメリカではキャンピングカーのこと。ステーションワゴン、ワンボックスカー、ミニバン、オフロードの全てをひっくるめた総称)、バン

(3)所属=トヨタ車、日産車、ホンダ車、日本車、ドイツ車、アメ車など

(4)動力源など=ハイブリッドカー、ガソリン車、ディーゼル車、4WDなど

「バン」は「キャラバン」の省略形で、基本的に「商用車」。

その「目的」から分けられた名称です。

一方「ワンボックスカー」は、車の「形態」から採られた名前。「ボックス」=「箱・空間」を意味し、その車にいくつの箱や空間があるか、車の形によって決まります。

★「ワンボックス」=四角いカタチの箱型で、エンジンはフロントシート下に配置されボンネットはない。乗員空間と荷物室空間が1つの空間にあるスタイルの車。軽自動車、普通車、商用車を問わない。代表車種は、トヨタ「ハイエース」、日産「キャラバン」。ワゴン車またはバン。

★「ツーボックス」=ボンネット付きエンジンはフロントボンネット内に配置。乗員空間と荷物室空間が共通の車。ハッチバック、ステーションワゴン、ミニバン(=1.5ボックス)、SUV(=車高が高くタイヤが大きく最低地上高がセダンタイプなどより高い。乗車人数は問わず、レジャー目的で悪路走破性に優れているのが特長)。軽自動車・普通自動車・ワゴン・バンは問わない。代表車種はトヨタ「カローラフィールダー」やスバル「レヴォーグ」、ホンダ「フィット」やトヨタ「ヴィッツ」のコンパクトカー、スズキ「ワゴンR」や「アルト」、ダイハツ「ムーヴ」など軽自動車。

★「スリーボックス」=ボンネット(エンジンルーム)・乗員空間・荷物空間それぞれ隔離されている車。セダン、サルーン。代表車種はトヨタ「クラウン」や日産「スカイライン」。

つまり「バン」は、普通は、

「ボンネットなし・乗員空間・荷物室空間が一体」

なので、

「ワンボクスカーの一種」

ですが、「引っ越し業者」が「貨物運搬」という業務目的で使うのであれば「商用」なので、今回は、

「バン」

と呼んでいいのではないでしょうか。』

更にいろいろ調べてみると、「バン」の中でもトヨタ「ハイエースバン」は「ワンボックス」、トヨタ「サクシード」や日産「AD」は「ツーボックス」の「ライトバン」。

また、「後部座席が長い場合」には「ワゴン」、

「荷室の長さが長い場合」には「バン」

となり、コンパクトな「バン」は「後部座席が狭くなる傾向」にあります。

そして「2つの空間がある」(ツーボックス)が「フロントのボンネットが短いタイプ」のワゴン車は一般的には、

「ミニバン」

と呼ばれています(3列シートのもの)。「1、5ボックス」と呼ぶこともあるそうです。

国産車では、1982年に日産「プレーリー」が初めて発売され、当初はまだ「ミニバン」という言葉ななかったため、

「6人から8人乗れるステーションワゴン」

と呼ばれたそうです。代表車種はマツダ「MPV」や、トヨタ「エスティマ」「アルファード&ヴェルファイア」「ノア&ヴォクシー」、日産「エルグランド」「セレナ」、ホンダ「オデッセイ」「ステップワゴン」。

トヨタ「アルファード」や日産「エルグランド」が、

「そんなに『ミニ』ではない」

のに「ミニバン」と呼ばれている理由は、

「アメリカの『フルサイズ・バン』と比較して『小さい』ワゴンタイプだから」

のようです。

車に関しては、ほとんど、このサイトから情報を頂きました。ありがとうございます。

https://www.lineup-car.com/blog/5066.html

(2019、4、10)

2019年4月10日 18:32 | コメント (0)