新・ことば事情
7127「熱が入ると・・・」
塚田一郎国交相副大臣(参議院議員・新潟、55歳)が山口・下関の講演で、麻生副総理の地元や安倍総理の地元に「忖度」して予算を付けたと、いわゆる「リップサービス」で言ってしまったことについて、野党は「利益誘導だ!」と「副大臣罷免を」と声を挙げ、与党内からも「極めて軽率」という声が聞こえています。
当の本人は質問に答えて、
「たくさんの人の前で、つい熱が入ってしまって、事実とは違うことを言ってしまって...」
との弁明をしています。
「嘘をついたということですか?」
との質問にも、
「嘘をつきました」
とは答えず、
「(言っちゃいけない)本当のことを言ってしまいました」
とも言わず、
「事実とは違うことを言ってしまった」
と答えています。
"アホらしやの鐘が鳴る"ですが、どこが、どう「アホらしい」か、おかしいのか。
私の持った疑問や意見は、次のとおりです。
(1)「事実では違うこと」は、一般社会では「嘘」と呼ぶ。
(2)大勢の人のいる前では「事実とは違うことを言ってしまう」人は、政治家には向いていない。
(3)そういう「重責を担う政治家には向いていない」ことが露呈した政治家は、自らその役から降りるべきである。
(4)本人がその役を降りる判断すらできないのならば、任命責任者(首相)は速やかにその役を解き、より適任の別の人をその役職に充てるべきである。
(5)その状態を放置する(決断しない・できない)のであるならば、任命責任者の任命権を返上するべきである。
これって、当たり前のことだと思うのですが、いかがでしょうか?
国を代表する政治家(副大臣)が、嘘を言っても、「ごめん」と言ったら許されるのですか?
明らかにおかしいですよね。
(追記)
これを書いた翌日、塚田国交副大臣は「辞表」を提出、辞任しました。
記者から、
「辞表を出したことも、忖度ですか?」
と聞かれて「え?」と一度聞き返した後に、
「違います」
と答えていました。
(2019、4、9)