新・読書日記 2019_041
『三好達治詩集』(三好達治・河盛好蔵編、新潮文庫:1951、2、10第1刷・2016、2、10第62刷)
すごいなあ、ロングセラーだなあ。大阪・天満橋のジュンク堂では見つからず、枚方市のTサイト・TSUTAYA書店で、中島みゆきの詩集と並んでいるのを発見、購入した。
第62刷!!!
去年の9月、三好達治の詩に多田武彦さんが曲を付けた「わがふるき日のうた」を歌って、すっかり三好達治ファンになってしまった。やはり「七五調」のリズムが良いんだろうな。
今回、発見した新しい詩は、原爆・水爆実験を題材としたと思われる詩「灰が降る」。
「灰が降る灰が降る
成層圏から灰が降る」
で始まる詩は、
「死の総計の灰をまく
とんだ花咲爺さんだ」
と続き、
「それから六千五百年
地球はぐっすり寝るだらう
それから六万五千年
それでも地球は寝てるだらう」
そして、
「お月様が
囁いた
昔々あの星に
悧巧な猿が住んでゐた」
で結ばれる。珍しくかなり直接的な詩であるが、この詩が書かれて半世紀以上、今こそ、日本国民は、この詩を読んでかみしめるべきだと思う。
star4