3月6日、日産のカルロス・ゴーン前会長が保釈されました。逮捕から、
「107日ぶり」
ということでしたが、この「107日」の読み方は、
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「ヒャクナナニチ」
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「ヒャクシチニチ」
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「ヒャクナノカ」
のどれでしょうか?と他局のアナウンサーから質問を受けました。
「100+〇日ぶり」
の読み方ですね。いろいろ、考えてみました。
「数字の読み方は、和語か?漢語か?」
ということですね。
*「漢語読み」=「数字」プラス「ニチ」
*「和語読み」=「百の位」プラス「和語の『かよみ』」
この「かよみ」と言うのは、
「フツカ」「ミッカ」「ヨッカ」「イツカ」「ムイカ」「ナノカ」「ヨーカ」「ココノカ」「トーカ」
と「日」を「カ」と読む読み方です。
「暦(こよみ)」
も、語源は「かよみ」で、それが訛って「こよみ」になったんですよね。
日本語の数の中では「忌み言葉」で、「4」を「シ(=死)」と読むことを避けて、
「よっ(つ)・よん」
と読むことがありますね。つまり「4日」は「シニチ」ではなく、
「ヨッカ」「ヨンニチ」
と読みます。こういうものが交じっているのも、問題を難しくしています。
「かよみ」=「こよみ・暦の範囲内(31日まで)」では、「和語のかよみ」が強いが、その範囲を超えると、「漢語プラス『ニチ』」が強くなる傾向があります。
「14日」=ジューヨッカ
「24日」=ニジューヨッカ
ですが、これが「34日」になると、「サンジューヨッカ」とも読みますが、
「サンジューヨンニチ」
が多くなるのではないか?「44日」ならば、まず間違いなく、
「ヨンジューヨンニチ」
でしょう。
ただし「日付」と「期間」でも違ってきます。
「あと44日」
という場合は、
「あとヨンジューヨンニチ」
でしょうけれども、
「44日間」
ならば、
「ヨンジューヨッカカン」
と言う人の方が多いのではないか?
つまり「〇〇日」の後に「間(カン)」や「ぶり」が付くと「かよみ」をする可能性が高くなる。「後ろに付くもの」(間・ぶり)との結びつきが、「前に付く数字」とのつながりよりも、強く感じられるからではないではないか。
だから、後ろに「日間」「ぶり」の付く「107日間」「107日ぶり」の「7日」も(「ナナニチ」とも、もちろん読みますが)、「ナノカ」と読みたくなるのでしょうね。
昔の「和語」の日にちの読み方ででは、「11日以上」の場合は、例えば、
「11日」=トー・アマリ・ヒトヒ
「12日」=トー・アマリ・フツカ
「13日」=トー・アマリ・ミッカ
というように区切っていました。その名残りも、あるかもしれません。
その証拠に「警察の電話番号」は「ヒャクジューばん」ではなく、
「ヒャクトーばん」
ですよね「10番」を「トーばん」と読みます。
さて、そしてきょう(4月3日)は「ミヤネ屋」のナレーターの藤田さんから、
「『20日ぶり』の読み方は『ハツカぶり』でしょうか?それとも『ニジューニチぶり』でしょうか?」
と質問を受けました。私は、
「『ハツカぶり』でしょう」
と答えたのですが、考えてみると、「〇〇日ぶり」の読み方は、
「1日ぶり」=イチニチぶり
「2日ぶり」=フツカぶり
「3日ぶり」=ミッカぶり
「4日ぶり」=ヨッカぶり
「5日ぶり」=イツカぶり
「6日ぶり」=ムイカぶり
「7日ぶり」=ナノカぶり
「8日ぶり」=ヨーカぶり
「9日ぶり」=ココノカぶり
「10日ぶり」=トーカぶり
とここまでは「1日ぶり」以外は、全部、
「和語の日にちの数え方(かよみ)」
ですね。そして「11日ぶり」からは「漢語読み」で、
「ジューイチニチぶり」「ジューニニチぶり」・・・「ジュークニぶり」
まで行って、「20日ぶり」は、
「ハツカぶり」
と、また「和語の日にちの数え方」に戻り、「21日ぶり」からは「ニジューイチニチぶり」・・・と「漢語読み」になりますね。
そして、またもとに戻って、「107日ぶり」の読み方ですが、結論から言うと、
「ヒャクナノカぶり」「ヒャクナナニチぶり」
の、
「どちらも可」
としか、言いようがないよなあ。
(2019、4、3)