新・ことば事情
7118「中毒と依存症」
これまで一般的に使われてきた、
「アルコール中毒」
という言葉。略称で蔑称として使われる、
「アル中」
という言葉、これも昔は普通に使われましたが、さすがに最近は、あまり耳にしません。
かわって使われ言葉が、
「アルコール依存症」
です。
この「依存」を「イソン」と濁らずに読むか、「イゾン」と濁って読むかということもありますが、それに関してはアナウンサーは、これまで「濁らず」に、
「イソン」
と読んできました。理由は、
「『イゾン』と濁って読むと『異存』と混同する恐れがあるから」
だと思われます。
しかし、数年前にNHKが、
「『イゾン・イソン』両方の読み方を認めた」
ために、NHKでは「イゾン」と濁って読むアナウンサーが増え、それに対して民放の方が、これまでの濁らない「イソン」を頑なに守るという"逆転現象"が起きているのが、
「『依存』の読み方の現状」
です。
それはさておき、今回私が注目したのは、
「なぜ『アルコール中毒』を『アルコール依存症』と呼ぶようになってきたか?」
ということ。昨夜、寝る前に思い浮かんだのは、
「『中毒』は急性・短期、『依存症』は慢性・長期という使い分けではないか?」
ということではないか?と思ったのです。
「急性アルコール中毒」(短期)
という言葉は、今も使われていますし、そこで「慢性」との違いを「依存症」と呼ぶようになったのではないでしょうかね?たぶん、合ってるんじゃないのかな?