新・ことば事情
7113「住居不定」
先日、テレビ新潟発の全国ニュースを見ていたら、逮捕された容疑者が、
「住居不定 無職」
という原稿をアナウンサーが読んでいました。この「住居不定」というのは、普通は、
「住所不定」
言うのではないのでしょうか?
ところが!この話を報道局兼務のIアナウンサーにしたところ、
「こんなものが、あったんですけど・・・」
といって大阪府警泉佐野署のプレスリリース文書を見せてくれました。そこにはしっかりと、
「住居不定」
と書かれているではありませんか!
ということは、もしかしたら、
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警察発表では「住居不定」と言うが、放送などでは「住所不定」とこれまでは直していた。
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「住居不定」と「住所不定」は意味が違う。
このどちらかではないでしょうか?
読売テレビ報道局のOデスクに聞いてみたところ、
「ああ、ありますね。両方あります。警察発表では両方あります。特に基準はなく、発表する署の担当者によって違ったりします。」
「放送ではあまり『住居』は聞かない気がするんだけど・・・。」
「そうですね。『住居』と発表されても『住所』に直すことがほとんどですけど、中には『警察発表だから』と、そのまま『住居』で直さないデスクもいますね。報道の中でも、特に統一はされていません。」
「『住居』と『住所』で意味は違うの?」
「一緒ですね。ただ警察の広報の中には、何か区別をしている人もいるようですが・・・・」
ということで、結論としては、
「住所不定」
で、今後も放送して構わない、という感じですかねえ。