新・ことば事情
7111「三寒四温」
3月の上旬、「ミヤネ屋」のお天気コーナーで、司会の宮根誠司さんが、
「三寒四温」
という言葉を、よく使っていました。
しかし、本来の「三寒四温」は、
「中国東北部や朝鮮半島北部で顕著な気象状況」
を言います。
私が調べた範囲の国語辞典では、『広辞苑』『岩波国語辞典』『デジタル大辞泉』『精選版日本国語大辞典』『明鏡国語辞典』は、そういうふうに記されています。しかし、
「実際には、日本の春先の気候にもよく使われている」
ので、
『新明解国語辞典』『旺文社標準国語辞典』『三省堂国語辞典』『現代国語例解辞典』
には「中国・朝鮮」という地域の限定はありませんでした。
また『新潮現代国語辞典』は、解説文には地域を限定していなかったのですが、用例は、
「上海」
でしたので、実質的には「中国で」ということを示唆しているのでしょう。
日本の気候に対しても「三寒四温」を使っていいのかどうか?
気象予報士の蓬莱大介さんに聞いたところ、
「春に『小春日和』を使うのは間違いですが、日本の春先の気候について『三寒四温』を使うのは、もう構わないんじゃないかと思いますね」
ということでした。
そうこうしているうちに、「三寒四温」を通り越して、暖かくなって来ちゃいました。