新・ことば事情
7102「のり弁」
肝心の部分が黒く塗り潰された文書、つまり、
「黒塗り文書」
のことを、最近よく、
「のり弁」
と言うのを耳にします。「森友問題」あたりから、頻繁に耳にするようになった気がします。最初は何のことか、わかりませんでした。
たしかに、肝心な単語だけでなく、1ページベッタリと黒く塗りつぶされていると、「のり弁当」=「のり弁」
のように見えますね。
まあ「隠語・俗語」の類なのですが、この意味を載せている国語辞典はあるのでしょうか?一番可能性があるのは「三省堂国語辞典」だと思い、引いてみました。
・・・載っていない。この意味だけでなく、そもそも「のり弁」が載っていません。
「精選版日本国語大辞典」は「早弁」は載せているのに「のり弁」は載っていません。「広辞苑」と「三省堂現代新国語辞典」も、「早弁」はあるが「のり弁」はない。
「デジタル大辞泉」「明鏡国語辞典」「新明解国語辞典」「旺文社標準国語辞典」「現代国語例解辞典」「岩波国語辞典」「新潮現代国語辞典」はどちらもない。
という意外な結果になりました。
さあ、飯間さん、「三省堂国語辞典」が次の改訂で「のり弁」を載せるかな?