新・ことば事情
7091「かみたばこ」
3月14日の日本テレビ「スッキリ」の「平成を振り返るシリーズ」で、
「たばこ」「喫煙・禁煙」
を取り上げていて、なかなか興味深いものでした。「平成」に入ってからもまだ「たばこ」を吸う人は多数派だったんだなあと。「国会」でも審議中に吸っていたんですね、分煙もせずに。「平成」も終わろうとしている現在からは、考えられないような・・・。
VTRからスタジオに降りると、
「加藤浩次 禁煙まで あと44日」
という文字が。司会で愛煙家の加藤さんは以前、
「50歳の誕生日を迎えたら禁煙する」
と、見栄を切ったみたいなんですね。その誕生日、すなわち「禁煙決行」まで44日・・・。「平成」の終わりまで、あと48日。
そこで往生際の悪い加藤さんは、日テレの森圭介アナウンサーに向かって
「ねえ森くん、ニコチンとかタールのないやつ、吸ってるよな。」
と話を振ると、森アナウンサーは、加藤さんに、
「きのう加藤さん、『かみたばこ』は、吸っていませんでしたよね。」
と相槌を打ちました。しかしこの、
「かみたばこ」
に引っかかりました。
森アナウンサーは、加藤さんが最近は「加熱式たばこ」を吸っていて、
「紙巻きたばこ」
は吸っていないと言いたかったのでしょう。しかし「かみたばこ」と言うと、インドなどで吸って(噛んで)いる、
「噛みたばこ」
とイメージしてしまいます。ですからここは正確に、「巻き」を付けて、
「紙巻きたばこ」
と言った方が良かったのではないかなあ、と思いました。
「加熱式たばこ」は、
「熱を加える」
わけですが、そのたばこ本体を、
「くわ(咥)える」
ものでもありますね。同音異義語。