新・読書日記 2019_031
『イタリア発イタリア着』(内田洋子、朝日文庫:2019、2、28)
イタリア在住の作家・内田洋子さんの待望の新作!と思って、かわいらしい装丁のこの文庫本を購入、さっそく読みだした。そして140ページ(ほぼ半分)まで読み進んだところで、「おや?」っと。
「これ、読んだこと、ある」
目次の前のページにある小さな文字を読むと、
「本書は二0一六年二月、小社から刊行された『イタリアからイタリアへ』を改題したものです。」
・・・「改題」・・・。改稿はしてないのか。道理で、読んだことがある感じがしたわけだ。読んだんだもん。検索すると、「2016読書日記048『イタリアからイタリアへ』(内田洋子、朝日新聞出版:2016、2、28)」で出て来ました。
今回読んでわかったんだけど、内田さんはイタリアで「船」を買って、その「船」で「暮らしていた」こともあったのか!それって、前回読んでいて、わからなかったよ!
それとイタリア南部でみんなが言う言葉、
「すべて相対的なのさ」
は、ある意味、真理だと思ったなあ。
うちの、もうすぐ84歳になる母が、
「最近、駅までの道が遠くなった気がする」
「最近、階段が、前よリ急になった」
というのはもちろん、「駅までの道の距離が遠くなった」わけではなく、
「母の歩く速度が遅くなった」
のだし、「階段が急になった」わけではなく、
「母の足が、あまり上がらなくなってきた」
というのが「客観的事実」なのだが、イタリア人と同じく、やはり人間は、「すべて相対的」なのである。
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