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『道浦TIME』

新・読書日記 2019_030

『思いつきで世界は進む~「遠い地平、低い視点」で考えた50のこと』(橋本治、ちくま新書:2019、2、10)

ことし1月29日に70歳で亡くなった著者の本は、これまで何冊かは読んできたが、おそらくこれが最後の一冊か。PR誌「ちくま」の2014年7月号から2018年8月号で連載していたコラム50編を集めたもので、発行日付を見ると亡くなってすぐに出たんだなあ。

第1章「バカは忘れたころにやってくる」

第2章「いったい日本はどこへいく」

著者が東大在学中の学園祭での有名なコピー、

「とめてくれるなおっかさん、男・東大どこへ行く」

を思い出す。「男・東大=日本」に置き換えると常に「その行方」を案じて続けて来た70年の人生だったのかも。しかも「男・東大」と言いながら、著者自身は「男」という自分の性別に「違和」を感じた立場であったのは有名な話。お葬式の喪主は、ご高齢のお母さまだったはず。

第3章「誰もが話を聞かない時代」

「第4章」は本書のタイトルとなった「思いつきで世界は進む」。

そして最終章「第5章」は「世界は一つなんて誰がいった?」え?それはディズニーじゃないの?「イッツ・ア・スモール・ワールド」で「♪せーかいーはー、ひーとつー」と歌ってますよね。

この本に貫かれた立場は、「第1章」の最初のコラムに出来る、

「反知性より無知性がこわい」

に代表されているでしょうねえ。

合掌。。。


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(2019、2、28読了)

2019年3月 8日 18:40 | コメント (0)