新・ことば事情
7076「雀友」
2019年1月18日、82歳で亡くなった市原悦子さんの告別式が行われました。その模様を「ミヤネ屋」でお伝えする中で、市原さんが麻雀好きだったというエピソードが紹介されました。そこで出て来た「麻雀友達」の意味の、
「雀友」
の読み方についてふと疑問が。
「ふつうは『ジャンゆう』だと思うけど、ルビを振るとしたらカタカナと平仮名が交じる、変わったルビになるなあ。あら?待てよ、『ジャンゆう』で良いのかな?『メル友(とも)』みたいに読んで『ジャンとも』って事はないかな?そもそもこの俗語は、辞書に載っているのかな?」
そう思って、新語や俗語に強い飯間浩明さんの『三省堂国語辞典』を引くと、さすが「三国」、ちゃんと載っていました。
*「ジャンゆう〔雀友〕」=【俗】マージャン友だち。
シンプル・イズ・ベスト!
「友」の読み方は「ゆう」ですね。
その他の国語辞典も引いてみましたが、『広辞苑』『明鏡国語辞典』『新明解国語辞典』『旺文社標準国語辞典』『現代例解国語辞典』『岩波国語辞典』『新潮現代国語辞典』『三省堂現代新国語辞典』には「ジャンゆう」も「ジャンとも」も載っていませんでした。『精選版日本国語大辞典』には、「ジャンゆう」が載っていました!用例は『灯らない窓』(仁科悦子・1974年)の「曇る陽」で、
「ちょうどいい勝負のジャンとも(ユウ)同士なのであった」
と載っていました。