新・ことば事情
7072「人工島の読み方」
報道のN記者が質問しに来ました。
「『人工島』の『島』の読み方は『ジマ』でしょうか?それとも『トー』でしょうか?」
「うーん、どっちもあるよねえ。以前、関西国際空港が出来たころ、もう20数年前だけど、『空港島』の読み方を『ジマ』か『トー』かで悩んで『トー』は『塔』と間違う恐れがあるので『ジマ』の方が分かりやすいんじゃないか?って話は、した覚えはあるけど。でも『ジマ』だと『重箱読み』になっちゃうしねえ。わかりやすいほうで、いいんじゃない?」
と答えてから、アナウンス部に電話して、電話に出た諸國アナウンサーに、
「今は、どっちで読んでる?」
と聞いてもらったところ、その時にアナウンス部にいたアナウンサー4人は
「ジマ」=3人
「トー」=1人
ということでした。
過去にその話について書いてないかどうか調べたところ、やはり私は書いていました。
15年前に「平成ことば事情1895空港島」で。
以下に引き写しますね。
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2004年9月4日、関西国際空港が開港満10周年を迎えました。
その前日、Sキャスターからの質問です。
「うちは『空港島』を『くうこうじま』と読むことにしてますよね。では現在、二期工事をしている島のことを『二期島』と表記した場合には、『にきじま』ですか?それとも『にきとう』ですか?それと『関空島』という表記をした場合には『かんくうじま』ですか?それとも『かんくうとう』ですか?」
「うーん。『空港島』を『じま』と読むのなら、すべて『じま』で統一すべきだろうなあ。『二期島』を『にきとう』って読んだら『二気筒』みたいだしなあ。そもそも『二期島』なんて言葉は、計画中と工事中にしか出てこない『お役所言葉』なんじゃない?完成したら、全体が関西国際空港の島になるんだし、そういう意味では、『二期工事中の島』とかなんとか、噛み砕いて言うようにしたら?それから『関空島』は『空港島』と同義だから、『空港島』しか使わないようにしたら、余計な議論は避けられるよ。」
ということで、「くうこう」という音読みと「しま」という訓読みが混じった「重箱読み」の「くうこうじま」が、存続することになったのでした。
また他局では、9月7日、毎日放送の田丸アナウンサーも、
「くうこうじま」
と読んでいました。
余談ですが、私たちの世代にとっては懐かしい番組に「ひょっこりひょうたん島」があります。去年からNHKで再放送していますが、あれは「じま」ですね、「ひょうたん」も訓だから問題ないのですが、「くうこうじま」と聞くと、なんとなく「ひょうたんじま」を思い出してしまいます。「くうこうじま」はどこへ行くー!?
(2004、9、14)
***************************************ということで、特にそれから進展はない感じですねえ・・・。あ、関西空港、今年、
「開港25周年」
になるんだ、9月になると!