新・ことば事情
7071「会談は成功だった?」
2月27~28日にベトナムのハノイで開催された「第2回米朝首脳会談」は、非核化で合意文書の署名には至らず、
「失敗」
と見られています。しかし、3月4日のお昼のニュースによると、アメリカのボルトン国務長官は、
「アメリカの国益を損なわなかったので、この会談は成功だった」
と強弁しています。
これって、どう、ひいきめにみても、
「勝ち点3を取るために、勝たなければならない試合」
において、
「勝てずに引き分けて、勝ち点1に終わった」
ような感じですよね。
「負けなくてよかった」
と言っているわけです。しかし、
「負けなければ勝ちか」
というと、そんなことはない。つまり、
「失敗でなければ、成功なのか?」
と言うと、そんなことはない。つまり、ボルトン国務長官の言うところの「成功」と、私達が思う所の「成功」では、
「成功の意味するところのボーダーラインが違う」
と、「アメリカ政府側」と「世界」の見方が違うということではないのかなと思いました。