新・読書日記 2019_027
『違和感のススメ』(松尾貴史、毎日新聞出版:2019、2、22)
2月19日、大阪ミナミの「ロフト・プラスワン・ウエスト」で行われたトークイベント「ロフトに政治を持ち込むな」に、元キッチュの松尾貴史さんと、元ほっしゃんの星田英利さんと、沖縄在住の芸人・せやろがいおじさんが出演するのを知って、聴きに行って来ました。「せやろがいおじさん」は実は奈良県出身の31歳。YouTubeで、猛スピードの関西弁を駆使して政治に関する一人しゃべりのマシンガントークを、ドローンを使って撮影された美しい沖縄の海をバックに赤ふんどし姿で体を張ってしゃべまくる動画をUPしていて、よく見ています。何と、このイベントの日の朝日新聞夕刊にカラーで対談記事が載っていて「奇遇だなあ」というか「タイミングがいいなあ」と思いました。
その際に「発売日前だけど」と言って20冊ぐらいかな、この本を松尾さんご自身が販売していたので購入しサインまで頂いてしまいました。イベント終了後も小1時間ほど、松尾さん・星田さん・せやろがいおじさんと飲みながら話をすることもできて、大変有意義な一時を過ごせました。
この本は、松尾さんが「毎日新聞」の日曜版に連載されているコラムで、大変上手な人物イラストも松尾さんの手によるもの。いつも「読みたいなあ」と思っていたのですが、実はなぜか「関西版にだけ載っていない」のです。本が出るのは知っていて、「これはもう、買うしかない」と思っていたら、イベントでの販売、まさに"渡りに船"でした。
この本の章立ては4つ。「第1章」の「永田町をめぐるあれこれ」で「政治」に関するコラム、「第2章」は「不健全な社会」ということで、世の中の様々な動きの中で、松尾さんにとって「気に食わない動き」に関して。「第3章」の「忖度するメディア」は松尾さんも関係している「マスメディア」にタイルする不満を、そして「第4章」、「変わりゆく言葉」ということで、「言葉の魔術師・松尾貴史」が気になる言葉遣いに関して。これは「第3章」には入れてもいいのにわざわざ「別に章立て」したところに、松尾さんの「言葉へのこだわる」があるように感じました。その「言葉」に関しては波長が合うので、私なんぞも、たまにお付き合いいただいていると思うのです。
第3章から、アナウンサーに関する苦言で、
「"私"は現場に立っています」
という話。必ず中継で「私は〇〇」という「ミーイズム」は、おかしいのではないか?と問題提起をされています。そう言われれば確かに・・・。
実は、各章における「コラムの数」には偏りがあります。
第1章=26
第2章=20
第3章=10
第4章=7
ということで、バランスで言うと第4章は、第3章に取り込んでも良かったかなあ。
最後に「おまけ」と言いますか、やはり「話のプロ」である落語家の立川志の輔さんとの対談もついていて、お得です。