新・読書日記 2019_025
『壊れつつあるこの国の未来』(辛坊治郎、KADOKAWA、2019、12、20)
これは玉石混交のような感じ。とても勉強になり、なるほどなるほどフムフムと読み進めるところと、おいおい、それはちーがーうーだーろー!というところが混ざっている。美味しい炊きたてのご飯を食べていたら、ジャリッと小石が出てくるような感じの違和感。
一貫して辛坊さんは、法律の大切さ・法治主義の重要性と、この国の未来・若者たちの将来を心配しているのはよくわかる。そのために邪魔になるものは、たとえ人道的に非難されても主張するという態度なのかもしれない。 辛坊さんは「法律万能主義」というか「厳密な法治主義」。私は「法は良き運用」という「人治主義」かも。
本書では、「第1章」で官僚と政治家の劣化を憂い(野党の政治家を斬り、返す刀で与党の政治家も斬る)。
「第2章」で北朝鮮を斬る、去年6月の第1回米朝会談の話も出てくるから、今読むといいかもしれない、復習と予習を兼ねて。(「第2回米朝首脳会談」の前日に書きました。)
「第3章」が、私は一番辛坊さんらしくて勉強になる章だと思いました。さまざまな事件や新しい技術などに関しての、理系に詳しい文系ジャーナリストとしての見方が示されています。最後の「第4章」は、周りの者どもを斬って来た刀を「自らの側」=「マスメディア」「ジャーナリスト」に向ける「メディアを巡る闇」。この闇は深い。一読の価値はあります。
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