新・読書日記 2019_004
『アイヌの民話集』(更科源蔵、風光社:発行日記載なし)
先週、北海道旅行に行った際に、ホテルの売店に置いてあったのが目に止まって購入、すぐ読んだ。土産本(「みやげぼん」。「どさんぼん」ではない。「道産子」と字は似てるけど)のような冊子で、50ページほどの中に見開きで1話、合計アイヌの民話が20話、載っている。なぜこれを手に取ったかというと、著者(編者)の、
「更科源蔵」
という名前に記憶があったからだ。以前、歌ったことがある男声合唱組曲、
「海鳥の歌」
の作詞者として、記憶していたのだ。アイヌの民話を採取していた人だったとは!
奥付の所に載っている「更科源蔵」の簡単な略歴は(西暦は、私が付け足しました)、
「明治37年(1904年)北海道弟子屈に生まれる
詩人・随筆家・アイヌ文化研究によって知られる
昭和26年(1951年)北海道文化賞を受賞
昭和42年(1967年)NHK放送文化賞を受賞
昭和43年(1968年)道新文化賞を受賞」
本当に「略歴」ですね。ネットで調べると「読売オンライン」にこんなのが載っていました。
https://www.yomiuri.co.jp/life/travel/meigen/20180301-OYT8T50004.html
「原野というものは、なんの変化もない至極平凡な風景である(更科源蔵「熊牛原野(くまうしげんや)」(1965年)
更科は「原野の詩人」と呼ばれているそうだ。
また、代表作「凍原(とうげん)の歌」の一節から、
『白く凍いてつく丘に 遠い太陽を迎へる 厳然たる樹氷であらうとも
森は今 断じて遠大な夏を 夢見ぬ』
自然と共に生きて来た詩人なのでしょうね。ここでの「略歴」を引用すると、
【更科源蔵(1904~85年)】
東京の麻布獣医畜産学校(現麻布大)中退。上京時、詩人・尾崎喜八に師事。「智恵子抄」で知られる高村光太郎の影響も受ける。詩集に「種薯」「無明」など。散文も、「熊牛原野」(大和書房「ふるさと文学さんぽ北海道」に一部収録)のほか、「アイヌと日本人」、自伝的小説「原野シリーズ」など多数。40年、弟子屈町での生活を諦め、札幌市に転居。北海道立図書館嘱託などを経て、道立文学館理事長。「更科源蔵文学賞」は同町の後援で有志が創設。現在は休止中。
だそうです。勉強になりました。
(☆3つ半)