新・読書日記 2018_183
『ブラックボランティア』(本間龍、角川新書:2018、7、10)
帯には、
「肥えるオリンピック貴族 タダ働きの学生たち」
という大きな文字。
2020年、もう来年に迫った東京オリンピックの、なんと11万人もの「ボランティア」を大々的に募集しているが、このボランティアは「無給」。
「ボランティアは無給って、当然なんじゃないの?」
と思うかもしれないが、実は過去のオリンピックのボランティアには、「有償ボランティア」もあったという。しかし今回は、交通費も宿泊費もなく、最低10日間以上という「制限」付き。それでもやりたいと言う人は、まあ自由だが、東京都では学生にまで「ボランティア志願」を求めている。これって「学徒動員」「徴兵制」の予行演習ではないのか?と思ってしまう。その一方で、「エライ」方々は高給を取っていて、しかも、これまでのオリンピックのスポンサーは「1業種1社」に制限していたのに、この東京オリンピックはそれを取り払って、これまで以上のスポンサーを集めているという。その額、4000億円。
うーん、万博もそうだけど、もうオリンピックって見直す時期に来ているのではないだろうか?
JOCの竹田会長の贈賄疑惑もそうだが、「アマチュア精神のオリンピック」は「1984年のロサンゼルスオリンピック」の「商業主義オリンピック導入」によって完全になくなり、その後30数年で「拝金主義」「金まみれの興行」になってしまったことが明らか。ボランティアだけに「アマチュア精神」を求めるのは、どこかおかしいのではないだろうか?と思った。
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