新・ことば事情
7037「『度』か『回』か3」
「平成ことば事情5070『度』か『回』か」
「平成ことば事情5562『度』か『回』か2」
の続編です。
1月8日の夕刊各紙に、北朝鮮の金正恩委員長が列車で訪中、北京に到着してたというニュースが載っていました。金委員長の訪中は、
「4回目」
ということですが、これを「4回目」としたか「4度目」としたかをチェックしました。
【見出し】【本文】
(読売)**** 4回目
(朝日)4回目 4回目
(毎日)4度目 4回目
(産経)4度目 4度目
(日経)4度目 4度目
というように分かれました。つまり、
(朝日・読売)4回目
(産経・日経)4度目
ということです。
不思議なのは「毎日新聞」です。「見出し」は「4度目」なのに、本文は「4回目」なのです。整理部と外報部で、意見が統一できなかったのかな?
「朝日新聞」も、ちょっと不思議です。というのは、同じ日の夕刊の「スポーツ記事」で、今月13日から始まる大相撲初場所に向けての横綱・白鵬についての記事で、「見出し」では、
「優勝41回」
と「回」を使っておきながら、「本文」では、
「42度目の優勝を狙う」
と「度」を使っているのです。「語呂」「字面(じづら)」によって、どちらを使っても良い、ということなんでしょうか?
また、その記事の下には、プロ野球パ・リーグ優勝監督の、
「年代別優勝回数」(「回数」です)
の表があるのですが、それによると、
「60代=13度、 50代=56度、40代=62度、30代=22度」
ということで、全部「優勝回数」が「回」ではなく「度」で示されていたのです。
基準がよくわかりません。気分かな?
それとこれは「度」ではなく、それぞれの「年代」(60代・50代・40代・30代)での、
「優勝監督ののべ人数」
で、つまり、
「〇人」
と示すべきではないですかね?ためしにやってみると、
「60代=13人、 50代=56人、40代=62人、30代=22人」
で、わかりやすくなる気がするのですが。これも気分でしょうかね?
あ、今NHKの「ニュースウオッチ9」を見ていたら、金委員長の訪中は、
「4回目」
とアナウンサーが原稿を読んでいました。