新・ことば事情
7014「ミリリットルの表記」
容積の単位の表記で、「リットル」が、
「L」=ブロック体・大文字
であるのは、かなり普及したようです。私たちが子どもの頃に学校や家庭で学んだのは、
「ℓ」=筆記体・小文字
でしたが。
ところで、その「リットル」の「1000分の1」の単位である、
「ミリリットル」
の場合は、昔は「ℓ」と同じく、
「㎖」=筆記体・小文字のみ
でしたが、その後、
「ml」=共にブロック体・小文字のみ
となり、何と現在は、
「mL」=共にブロック体・小文字と大文字
となっているそうなんです。「m」が「小文字」なのは、
「大文字の『M』だと『メガ』になってしまうため」
だと思われます。「G(ギガ)」とかもありますね。
いろんな飲み物などの容器をチェックしてみたところ、
*「ml」=ブロック体・小文字のみ
・コカ・コーラ「コカ・コーラ」「爽健美茶」「ジョージア・ヨーロピアン香るブラック」
「レモン&ビタミン」
・明治乳業「おいしい牛乳」
・SUNTRY(サントリー)「冬の柚子チューハイ」
・CYOYA(チョーヤ)「ウメッシュ・ノンアルコール」
・ヤマキ「そうめんつゆ」
・サントリー「伊右衛門」「伊右衛門・特茶」「伊右衛門・ブレンド麦茶」「伊右衛門・玄米茶」「黒烏龍茶」「烏龍茶」「特茶・ジャスミン」
・アサヒ飲料「おいしい水・天然水」「WILKINSON」(炭酸水)
・リプトン「ミルクティー」
・大塚食品「SINVION(シンビーノ)」
・「レッドブル」
・キリンビバレッジ「生茶」「午後の紅茶・おいしい無糖」「Volvic」(1,500ml)
・「北アルプス発 飛騨の水」
・サッポロビール
*「mℓ」=ブロック体・小文字と、筆記体・小文字
・キリンビール「淡麗生」
・アサヒビール「スタイルバランス」(ノンアルコールビール)
・サントリー「プレミアム・モルツ」
・サントリー「冬道楽」
・サントリー「オールフリー」(ノンアルコールビール)
(・キリンビール・アサヒビール・サントリービール)
・旭酒造「獺祭」
*「mL」=ブロック体・小文字と、ブロック体・大文字
・アンメルツ(中国向け)
・クリスタルガイザー(CRYSTAL GEYZER)
・サトウ製薬「ユンケルローヤルD2」
・千寿製薬「アイファガン」(目薬)
・参天製薬「ジクアス」(目薬)
・「タプロスミニ点眼液」
・資生堂「DEO24 Ag MEN」(制汗スプレー)
・トップバリュ「入れ歯洗浄剤」(水150mL)
*「ml」(ブロック体・小文字と、ブロック体のような筆記体・小文字=「l」は「ℓ」ではなく、下がはねた筆記体)
・キリンビバレッジ「アルカリイオンの水」2000ml
・伊藤園「健康焙煎 そば茶 カフェインゼロ」
・えひめ飲料「POM 塩と みかん」
*その他
・コカ・コーラ「綾鷹 茶葉のあまみ」=2リットル、100ml当たり
・アサヒ飲料「WANDA極BLACK」=285g、100g当たり
・セブン-イレブン「天然水」=2リットル、2L
・サントリー「置く大山の天然水」=2ℓ
・「財宝」(温泉水)=内容量は「500㎖」と筆記体だが、栄養成分表示は「100ml当たり」「硬度4mg/L」とブロック体の小文字と大文字L。
といったところでした。
どうも、「薬品会社関連のもの」は「mL」を使っているようですね。
飲料では「ソフトドリンク系」と「ビール」では「サッポロビール」だけは「ブロック体・小文字」の「ml」、残りの「キリン・アサヒ・サントリー」ビールは、「mℓ」(ブロック体・小文字と、筆記体・小文字)でした。ただ「ブロック体の小文字のm」は、「筆記体」なのか「ブロック体」なのか、よくわからない感じでした。「筆記体」に見えないこともありません。
放送での各社の表記の実態については、今度の新聞用語懇談会放送分科会で、各社に伺ってくる予定です。
ちなみに、JALとANAのパイロット・副操縦士の酒気帯び問題関係で、11月17日の日本テレビお昼の「ストレイトニュース」は「mℓ」(小文字のブロック体+筆記体)、同じ日の「ミヤネ屋」内の通称「250ニュース」では「ml」(共に小文字のブロック体)と、異なる表記でした。