新・ことば事情
7013「なぬ?」
「週刊文春」11月30日号の町山智浩さんのコラム「言霊USA第457回」を読んでいたら、挿し絵の澤井健画伯が描いた絵が、トランプ大統領がテレビ画面の中で、
「私は、皆さんの医療保険を守る!!」
と言っていて、それを聞いたオバマ前・大統領が一言、
「なぬ?」
と言っているものでした。
そりゃあ、そうでしょう、この前の大統領選挙で、
「民主党のオバマ前・大統領が作った、医療費の国民皆保険制度はダメだ、全部やめて、もっと良い制度を作る!」
と主張して、トランプ候補は大統領に当選したのですから。
それからたった2年で、「ダメだから全部やめる!」と言っていた制度を、
「守る!」
と。「開いた口が塞がらない」とは、このことを言うのでしょう。恥知らずなウソつきですね。(その意味では日米は協調が取れていると言えるでしょう。)
ところで、なんか懐かしい響きの「なぬ?」という言葉。「ソルティー・シュガー」のコミックフォークソング「走れコータロー」の中でも出て来たなあ。カタカナで、
「ナヌ?」
だったのでは?「鼻血ブー」「アサー」のギャグ(?)で有名な「谷岡ヤスジさん」(1999年、56歳で没)の漫画でも、よく「ナヌ!?」が出て来たような気がしますし、「クレイジーキャッツ」の「ハナ肇さん」あたりも、よく「ナヌ?」と言っていたような記憶が。いずれも、
「1970年代」
ですよねえ。
ところでこの「なぬ?」の意味は、
「なに?」
なのかな?でも「なに?」ならば、漢字で、
「何?」
と書くのではないかな?と思い、ちょっと考えてハタと膝を打ちました。
「なぬ?」は、「なに?」ではなく、
「なにを?」
が「縮まった形である」のだと気付いたのです!
まあしかし、大阪人なら「なぬ?」ではなく、
「どの口でそんなこと言うねん、この口か!この口か!!!」
と言うように思いますが・・・。
それにしてもこんなこと、考えもしなかったなあ。
もうそろそろ師走という時に、一体何を考えてるんだろうなあ、俺。