新・読書日記 2018_155
『ハーフが美人なんて妄想ですから!!』(サンドラ・ヘフェリン、中高新書タクレ:2012、6、10)
ちょっと前に出た本だが、ネットで知って取り寄せた。
「ハーフ」というと一般の人は「テレビに出ているカッコイイ人」というイメージがあると思うが、それは「欧米系の白人とのモデルのようなハーフ」だろう。「ハーフ」だって、いろんな「ハーフ」の人がいるし、中にはお父さんが外国人でお母さんが日本人で、見た目は「ハーフ顔」だけど「日本生まれの日本育ち」で「日本語しかしゃべれない」人だって当然いる。でも「外見とのギャップ」があったりして、それが「差別」というか「マイナス評価」につながったりしている現状があるという。当事者の声だけにとても参考になる。タイトルが全てを物語っているが、その「具体例」や「心情」が細かく記された一冊で勉強になりました。
そうそう、この後で読んだ手塚治虫の漫画『アドルフに告ぐ』の主人公の、神戸で生まれ育った「2人のアドルフ」も「ハーフの悲哀」を存分に味わっていた。(ユダヤ人のアドルフは「ハーフ」ではないが「日本生まれの日本育ち」)いや「悲哀」どころか「命の危険につながるような差別」であった。当たり前の話だけど、
「人を見た目だけで判断してはいけない」
ということですね。
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