新・ことば事情
7001「ねじれ」
11月6日(日本時間の7日)、アメリカの中間選挙で、
「下院では民主党が多数派」
を握りました。
これによって「与党・共和党のトランプ大統領」にとっては、
「ねじれ」
が生じました。「上院」では「共和党」が多数派を握っています。
これで、日本の場合だと、
「衆議院と参議院が"ねじれ"」
という表現がされますが、アメリカの場合は、
「上院と下院が"ねじれ"」
とするのは、少しおかしいのではないか?という意見が出ました。
日本は「議院内閣制」で、アメリカは「大統領制」です。ですから、アメリカでの「ねじれ」というのは「上院と下院」ではなく、
「大統領(の所属政党)と下院の多数政党」または、
「大統領(の所属政党)と上院の多数政党」が異なる場合
なのではないでしょうか?
「ミヤネ屋」でも当初、その考え方が混在していましたが、なんとか修正できました。
11月7日の「夜7時のNHKニュース」では、
「上院と下院がねじれ」
のように聞こえたのですが、どうなんでしょうね?
また、11月7日の各紙夕刊は、
【読売新聞】(見出し)「民主が下院奪還」「トランプ政権とねじれ」
(本文)「下院で野党・民主党が指導権を握る『ねじれ』状態となり」
【朝日新聞】(見出し)「米民主党 下院奪還へ」「トランプ政権 打撃」
「上院は共和党が制す」
(本文)「議会の上下院でねじれが生じることで」
【毎日新聞】(見出し)「民主が下院奪還」「トランプ政権に打撃」「上院は共和維持」
(本文)「上下院の多数派政党が異なる『ねじれ』が生じるのは8年ぶり」
【産経新聞】(見出し)「トランプ共和 下院敗北」「上院は共和 議会ねじれ」
(本文)「民主党にとっては8年ぶりの下院奪還で、上下院のねじれを利用して」
【日経新聞】(見出し)「民主、下院多数へ」「上院は共和、議会でねじれ」
(本文)「上院と下院で多数派が異なる『ねじれ議会』となる」
で、「大統領と議会のねじれ」という書き方をハッキリとしたのは「読売新聞だけ」でした。逆に朝日・毎日・産経・日経は「上院と下院でねじれ」と書いています。