新・読書日記
2018_160
『職業、女流棋士』(香川愛生、マイナビ新書:2018、8、31)
美貌の女流棋士・香川愛生さん。このところ藤井聡太七段の活躍や、キャラクターがユニークな加藤一二三九段などの活躍で「将棋」に注目が集まっている。とはいえ、これが「女流棋士」となると、男性ほどはスポットライトが当たっていない気がする。
そんな中で、もっと「将棋」に、そして「女性棋士」を広めよう、知ってもらおうと、すごく頑張っている気がする香川さん。恐らく単著としては初めての本。ものすごく生真面目な様子がよく見て取れます。まだ若いから当然かもしれませんが。
将棋のことだけでなく、もちろん彼女という人間の生きざまも読み取れる一冊。興味深いです。
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(2018、11、21読了)
2018年11月26日 19:09
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新・読書日記
2018_159
『ブラック・ジャック第1巻』(手塚治虫、秋田書店:1987、4、5第1刷・1990、10、25第35刷)
「手塚治虫生誕90年」ということで、昔の漫画本を取り出してきて読んでいる。「アドルフに告ぐ」4巻を読んだが、全然古くない。内容も絵もストーリーも。
そしてこの「ブラック・ジャック」も。「命」を巡る医療の問題は、根本は変わらない。何千年たっても。また、無免許の医者ということで、あれ?他局のドラマで無資格の(弁護士資格を剥奪された)女性弁護士が活躍するのがあったな?と思った。「資格」と「腕」と、必要なのは何?ということかなあ。
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(2018、11、18読了)
2018年11月23日 19:02
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新・読書日記
2018_158
『サカナとヤクザ〜暴力団の巨大資金源「密漁ビジネス」を追う』(鈴木智彦、小学館:2018、10、16第1刷)
ネットで評判になっていたルポ本。タイトルがいいですよね「サカナ」と「ヤクザ」。語呂が言い。「サカナ」、つまり漁業には「ヤクザ」が絡んでいると。そう言うと、何だか漁業がうさん臭く思えてしまうが、そもそもその辺の境界線は、あいまいだったんですよね、どんな業界でも。それが白黒はっきりさせるような世の中になって来たので、従来型の境界線があいまいな産業は、後ろ指を指されるようなことも、あるのではないかと。
それと、やはり漁業の場合は、漁場・仕事場が広い。地球の7割は「海」で、そこが仕事場なんだから。でもそこも、かなり細かく区分されて漁業権がある。その隙を突いての「密漁」。東日本大震災の後、一時、漁業が禁止になった時期があった。そういう間隙を突いてくるのがヤクザ、密漁。海上保安庁との戦いの様子を取材したのが第1章。
第2章は、自ら築地市場に潜入して4か月働いてのルポ。築地市場にも「密漁もの」が入っているのか?を調査。ドキドキ。
その後、第3章は北海道の「黒いダイヤ」と呼ばれる「ナマコ漁」。今、密漁バブルなのだそうだ。
更に、千葉の暴力の港・銚子(良いのかな、こんな書き方して。本の目次に書いてあるんだけど)の支配者の歴史や、北海道のカニ漁、九州・台湾・香港で追跡するウナギ国際密輸など、漁業を巡る裏社会とのつながりは、深く暗い。。。
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(2018、11、12読了)
2018年11月23日 18:56
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新・読書日記
2018_157
『コンビニ外国人』(芹澤健介、新潮新書:2018、5、20)
最近、コンビニの店員さんが外国人であるのは、普通だ。中国人や韓国人だと、日本人と見た目はあまり変わらないのですぐにはわからないが、見た目ですぐ外国人とわかる人もいる。特に東京のコンビニでは、そういう外国人多い気がする。
そんな中で、この本。興味を持って読んだ。
折しも国会では「外国人労働者の枠」を拡大することの是非が、論じられている。また、ここ1~2年は「働き方改革」が社会を席巻している。私たち「会社勤めの者」にとっては、「働き方改革」という言葉は、大変身近である。(実質は「働かせ方改革」のようにも思えるが。)そして、韓国で「徴用工」の裁判の判決も出た。これも「働かせ方」の問題だ。
一体「労働」「働く」「働かせる」とは、どういうことなのか?ということを、根本から考えなくてはならない時代に来ていると言えるのではないだろうか?
少なくとも現在の日本では、外国人労働者が(も?)日本人の生活を支えてくれていて、しかもその待遇はすこぶる悪いというのは間違いのないところだろう。データを誤魔化すなんて、明らかにおかしい。本末転倒である。
日本人だって、これだけ「正規雇用」が減って「非正規雇用」が増えて「終身雇用制」がほぼ崩壊している現状は、「待遇が良くなっている」とは、全然言えない。
今までのように「円」が強く、それでいてアジアの他の国にとって「日本が魅力的な国である」というのは、現実的ではない。「日本人」は「日本」の姿を、冷静に・客観的に見つめ直すべきだ。
そういえば「東京五輪のボランティア」、案の定、当初の予定ほど、人が集まっていないという。「ボランティア」だって「労働の一種」だと思う。
「働く」ってなんだ!?
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(2018、10、28読了)
2018年11月23日 18:55
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新・読書日記
2018_155
『ハーフが美人なんて妄想ですから!!』(サンドラ・ヘフェリン、中高新書タクレ:2012、6、10)
ちょっと前に出た本だが、ネットで知って取り寄せた。
「ハーフ」というと一般の人は「テレビに出ているカッコイイ人」というイメージがあると思うが、それは「欧米系の白人とのモデルのようなハーフ」だろう。「ハーフ」だって、いろんな「ハーフ」の人がいるし、中にはお父さんが外国人でお母さんが日本人で、見た目は「ハーフ顔」だけど「日本生まれの日本育ち」で「日本語しかしゃべれない」人だって当然いる。でも「外見とのギャップ」があったりして、それが「差別」というか「マイナス評価」につながったりしている現状があるという。当事者の声だけにとても参考になる。タイトルが全てを物語っているが、その「具体例」や「心情」が細かく記された一冊で勉強になりました。
そうそう、この後で読んだ手塚治虫の漫画『アドルフに告ぐ』の主人公の、神戸で生まれ育った「2人のアドルフ」も「ハーフの悲哀」を存分に味わっていた。(ユダヤ人のアドルフは「ハーフ」ではないが「日本生まれの日本育ち」)いや「悲哀」どころか「命の危険につながるような差別」であった。当たり前の話だけど、
「人を見た目だけで判断してはいけない」
ということですね。
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(2018、11、8読了)
2018年11月20日 21:21
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新・読書日記
2018_151~154
『アドルフに告ぐ 第1~4巻』(手塚治虫、文藝春秋:1985、5、30第1刷、1985、6、30第3刷)
2018読書日記151『アドルフに告ぐ 第1巻』(手塚治虫、文藝春秋:1985、5、30第1刷、1985、6、30第3刷)
2018読書日記152『アドルフに告ぐ 第2巻』(手塚治虫、文藝春秋:1985、6、30第1刷・1985、8、20第2刷)
2018読書日記152『アドルフに告ぐ 第3巻』(手塚治虫、文藝春秋:1985、8、1第1刷)
2018読書日記154『アドルフに告ぐ 第4巻』(手塚治虫、文藝春秋:1985、11、10第1刷)
ことしは「手塚治虫生誕90年」だそうだ。そういえば手塚治虫は「平成元年」に亡くなった。当初「63歳」と言われていたが、実は「3歳サバを読んでいた」ということで、実年齢は「60歳」!若い!若すぎる!当時もう大御所だったので、もっとずっと年齢が上だと思っていたのだが・・・。
ということで、本棚の奥から30年以上前に買って読んだこの本を出してきて読んでみた。こんな話だったのか!
「3人のアドルフ」の物語。1人はもちろんヒットラー、そしてあと2人は、幼なじみの友達だがユダヤ人とナチスに入る男。狂言回しのようにというか、物語の主人公の一人は、W大学の陸上選手出身で、通信社の記者・峠。「W大学」と書いているけど、ゲシュタポにつかまって拷問されたときに「何やら、わけのわからない歌を歌ってますぜ」とゲシュタポが言った時に歌っていた歌は「♪ミーヤーコーノーセーイーホーク、ワセダーノモリニー」、おおわが母校・早稲田大学校歌「♪都の西北」ではないか!大阪大学医学部出身の手塚治虫が、なぜ主人公を早稲田出身の設定にしたのだろうか?と思いました。
それにしても手塚治虫は、一体どのぐらい、現地で取材したりしたのだろうか?文献だけで、インターネットも無い時代に、この漫画・物語を書いたのか?スゴイ!
実写版でドラマにしたいぐらいでした。
第1巻(2018、11、10読了)(☆5つ)
第2巻(2018、11、11読了)(☆4つ半)
第3巻(2018、11、12読了)(☆4つ半)
第4巻(2018、11、13読了)(☆4つ半)
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(2018、11、13読了)
2018年11月20日 20:58
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新・読書日記
2018_150
『現代用語の基礎知識2019』(自由国民社:2018、11、8)
こんばんは。読売テレビ・道浦です。
『現代用語の基礎知識2019年版』、今年も11月8日に発売されました。
ありがとうございます。
私も今年も3ページだけですが「日本語事情」ということで書かせていただきました。
「2006年版」=「平成18年版」から書かせていただいて、今回で14回目になります。今回は「平成」を振り返って書きました。
今年から「版が大きくなった」のに驚きましたが、これって20年ぐらいまではこの大きさでしたよね。
20年前は老眼ではなかったのですが、最近はもうこの「大きい版」の方が助かりますね、ちょっと嵩ばるけど。
「グリーンの表紙は、良い色だな」
って思ったら「葉っぱ」が描かれていて、
「あ、そうか、『言の葉』なのだな」
と気付きました。
ついに「平成」が終わる年、「2019年」は、一体どんな年になるのでしょうかね。
ぜひお買い求めになって、お読みいただきたいと思います。
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(2018、11、3)
2018年11月20日 20:56
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新・読書日記
2018_149
『BLUE GIANT SUPREME 5』(石塚真一、小学館:2018、7、4)
読んだと思っていて読んでなかった。先に「第6巻」を読んでいましました。あわてて購入した漫画。『ビッグコミック』での連載は読んでるからね。
ようやく「4人」のジャズの仲間が集まって「バンド」が出来た。そのデビューの「場」を求めて苦悩する。ようやく「場」が出来てデビューするのだが・・・空回り。しかし、その可能性に気付いてくれた「マネジャー」がいた。新たなジャズ人生が転がり始める・・。
人と人とのつながりを大事にする主人公「大」の前向きの生き方に共感!
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(2018、11、10読了)
2018年11月20日 20:38
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新・読書日記
2018_148
『BLUE GIANT SUPREME 6』(石塚真一、小学館:2018、11、4)
あれ?第5巻の感想、書いてないやん、読んだのに。またあとで書きます。
最新の第6巻では、ようやく4人のバンドを組むことができた、主人公の大(だい)。
ぶつかり合いながらも、それぞれの良さを認め合い、より大きな舞台へのきっかけをつかもうと前向きに努力するメンバー。
やっぱり「ジャズフェスティバル」に出ることが、知名度を上げることになると、申し込んだジャズフェスは、誰も聞いたことのない、手作りの今回が初めてのフェスだったが・・・。そのジャズフェスを手掛ける人たちの情熱も、熱い!!
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(2018、11、5読了)
2018年11月 7日 17:00
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新・読書日記
2018_147
『甲子園という病』(氏原英明、新潮新書:2018、8、20)
最近はやや緩和されたが、やはり「甲子園」の高校野球のスケジュールというのは、ものすごく「タイト」だ。連戦につぐ連戦。夏の暑い中、しかもここ数年の猛暑の中、昼日中、炎天下で試合が行われる。プロのようにピッチャーがたくさんいてローテーションがあるわけではなく、強いチームでも、エースが1人で何試合も。勝ち上がれば勝ち上がるほど、投げ抜くのだ。まさに鉄腕。そう、今年の夏の秋田・金足農業のエースもそうだった。それをまた、我々マスコミが「美談」にしていく・・・。
「甲子園」が「ゴール」ならばそれでもいいかもしれない。しかしその後「プロ」に入って「野球」を「仕事」にしようとしている選手もいるにもかかわらず、「ピークが甲子園」になってしまい、肩を壊して、その後の長い人生の設計が狂ってしまうことも。甲子園の優勝投手がその後、大成したかどうか、そのあたりも著者は追跡取材している。また、監督たちに「あれで良かったと思うか?」という取材も行っている。いろんなケースがあるだろうが、たしかにこの日程と、投手の投球数制限の無い中、炎天下に野球をやるのは、昔ならともかく、今は「おかしい」と言えると思う。炎天下の「東京五輪」と同じように。もし、倒れたりしたら「自己責任」なのか?未成年の高校生が。考えるべき時期に来ているな。
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(2018、10、22読了)
2018年11月 7日 11:37
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新・読書日記
2018_146
『劣化するオッサン社会の処方箋~なぜ一流は三流に牛耳られるのか』(山口周、光文社新書:2018、9、30第1刷・2018、10、10第2刷)
これ、売れてるんだな。
ちょっと、オッサンが電車の中で読むには恥ずかしいタイトルだったので、カバーを外して読みました。
タイトルほど、明らか・明からさまに恥ずかしい、平たい内容ではなく、中はビジネス書。重要な所は、まるで蛍光ペンで塗ったように太字で、しかも網掛けになっているが、これ、そこだけ読めばいいのかな?参考書のようだが、全部ちゃんと読もうとすると、かえって読みにくい感じだった。
そういえばこの本の中でも、レイ・ブラッドベリ原作の「華氏451度」が出て来た(163~164ページ)。と言っても、トリュフォーによる映画の方だが。あらゆる本の所持が禁じられ、見つかった本はすぐに火炎放射器で焼かれる近未来。著者はそれを「外見だけは美しく着飾っているけれども中身は空っぽの人々と社会」を表していると。まあ、そうなんだけど、それだけではないと思うんだけれども。
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(2018、10、24読了)
2018年11月 7日 11:33
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新・読書日記
2018_145
『記者、ラストベルトに住む~トランプ王国、冷めぬ熱狂』(金成隆一、朝日新聞出版:2018、10、30)
「ラストベルト」の「ラスト」は、「最後」の意味の「last」ではなく「錆び付いた」の意味の「rust」であると、どのくらいの人が分かるのかな、といつも思う。でも「錆び付ついた」ままで終わってしまうのなら「rust」であると同時に「last」なのかなとも思う。
朝日新聞のニューヨーク特派員として2016年の大統領選挙で取材したこの地域の人たちは、実際にトランプが大統領になって1年以上経過して(まもなく2年、中間選挙)、どういう風に感じているのかを、実際にその地域(地元の人が「あそこに住むのは、やめた方がいい!」と言うような治安の悪化した地域)に3か月間住み込んで取材したのが本書。
結論はサブタイトルに記されている。
「トランプ王国、冷めぬ熱狂」
であろう。もちろん、期待したほどの成果は上げられていないし、政策はデタラメな方向だと専門家は言うし、客観的に見たらそれが正解だろう。しかしトランプ"信者"にとっては、そうは見えていない。「期待」が「実態」を上回ったままなのである。それが「破滅」に向かう「きらびやかな目抜き通り」だとしても。
ちょうどこの本を読み終わってすぐに、マイケル・ムーア監督の最新作「華氏119」を見た。「119」というのは、日本の消防車・救急車の電話番号ではあるが、それは意識されていないのではないか。ムーア監督の出世作(と言っていいでしょう)「華氏911」の「その後」という意味合いもあるし、「119=11月9日(2016年)」はトランプが大統領になることが決まった日でもある。もともとの「華氏911」は「9月11日(2001年)」のアメリカ・ワールドトレードセンターへの航空機衝突テロに始まる21世紀・テロの世紀に、アメリカが、ジョージ・ブッシュ大統領がどう対応したかを描いたものであった。アメリカにおける警察の電話番号が「911」であることも意識されていたかもしれない。そもそも「華氏911」というタイトルは、ブラッドベリ―のSF小説「華氏451度」へのオマージュでもある。「華氏451度」とうのは「紙が燃える温度」、つまり「焚書」=反知性的なファシズムの台頭に警告を与えるものであった。
さて、この映画「華氏119」は、封切り2日目の夕方の回で、シネコンの100席ある客席に、観客は10人だった。映画のテーマは、「水道」「銃乱射」「トップの無能」などだった。過去にマイケル・ムーア監督の作品を見た時に感じたのは「アメリカの闇の部分は深いなあ、大変だなあ」という他人事であったが、今回は「銃乱射」以外は、まるで日本の出来事と同じで、なぞらえながら見ることが出来た。あんなにウソばかり吐ついて人を攻撃する下品な人がアメリカの大統領。後半は、「トランプを見くびるな、ファシストはそういう形でやってくるのだ」と、ヒットラーの演説の映像に、トランプの演説をかぶせたり、かなり恣意的(マイケル・ムーア風)ではあったが、同じことは日本にも言える。いや、アメリカと日本だけでなく、世界の多くの国でそういった事態が起こっている。民主主義の危機であるということに警鐘を鳴らしている。
日本では「銃」の危機は今のところないが、「薬物の危機」は忍び寄っているのではないかとも、本書を読んで感じた。貧困に陥った「ラストベルト」の人たちが、現状の苦しさから逃れるために「クスリ」に手を出して、その人生を滅ぼしていく、それがはびこっている様子。「オピオイド系」の鎮痛剤の乱用。よくは知らないが「ソドム」という街は、そんなところだったのではないのか。
本書を読んで、マイケル・ムーアの新作映画を見ることをお勧めする。そこに、
「近未来の日本」
があるのかもしれない。
さあ、「中間選挙」だ!
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(2018、11、3読了)
2018年11月 5日 21:02
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新・読書日記
2018_144
『三省堂 現代新国語辞典 第六版』(小野正弘主幹、三省堂:2019、1、10)
SNS上では評判の新しい辞書。「三国」の飯間さんも編纂者に名を連ねています。どんな辞書かな?と思って購入。まず帯に、
「全国の先生方が推薦する唯一の高校教会社密着型辞書がいっそうパワーアップ!」
と長いコピーがあります。
そうか、高校生向けか。どの辺が高校生向けかな?と思ってパラパラッと見てみたら、
「2色刷り」
で、割と、
「イラスト」
が入っている。そのイラストはどういうもののイラストかというと、
「姉さんかぶり」「『太鼓橋』など様々な種類の橋」「トロイカ」「馬ぞり」「犬ぞり」「訪問着」
など、ちょっとレトロな、そして社会人なら知っているけど、高校生だと知らない感じのものです。
そして、そういったものは、夏目漱石や森鴎外と言った、
「高校の教科書に載るような文豪の作品に出て来そうな、明治以降のもの」
ですね。そういった配慮をしているのかな。
また「コラム」も載っていて、
「似たような言葉の意味の違い」
について書かれています。「あなた」というコラムでは「相手を指す語」のバリエーションを並べてあったり。そういった意味では「読む辞書」の感がありますね。
すごく新しい言葉を競って載せているのではないけれども、例えば「母校」の意味は「その人が卒業した学校」と「在籍している学校」の両方の意味を載せていて「よしよし」という感じです。
でも、今の高校生が「紙の辞書」を使っているのかどうか。(学校で買って使う、ということはあるかもしれませんが。)そういう疑問は、拭えません・・・。
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(2018、10、30購入)
2018年11月 2日 19:20
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新・読書日記
2018_142
『マリアージュ~神の雫 最終章13』(亜樹直・作、オキモトシュウ・画、講談社:2018、7、23)
実は「14巻」を買って読み終わってから、
「あれ?13巻を買ってなかった!」
と気付いて購入。この巻も中華料理に合うワインを探す「男2人旅」の修業。"中国マフィア"相手に、限られた食材のマリアージュ。気に入らなければズドン!絶体絶命のピンチ!ピンチはチャンスに!
これは「スティング」です。それにしても中華料理に合うワインって、難しいだろうなあ。
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(2018、10、30読了)
2018年11月 1日 12:49
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新・読書日記
『宇宙兄弟34』(小山宙哉、講談社:2018、10、23)
また半年、経ったのか、前巻が出てから。本当に規則的に発行されます。マンガです。
年に2回。連載は毎回読んでますが、まとめたら、また、読み甲斐がある。とは言え、あっという間に読んでしましますが。
月面に残されたムッタら2人。緊急手術が必要となった女性飛行士。地球からの遠隔操作での手術も・・・ピンチに次ぐピンチも「仲間を信じる心」で・・・。
「宇宙」が舞台だけど、「宇宙」が舞台だからこその「人間ドラマ」ですね。
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(2018、10、25読了)
2018年11月 1日 12:45
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新・読書日記
2018_140
『波の上のキネマ』(増山実、集英社:2018、8、30)
知り合いの放送作家の増山さん、作家として物語を紡ぐのも、すっかり順風満帆のようで、うれしいです!
今回の舞台は、兵庫県の尼崎市と沖縄の西表島。しかも入り口は「映画館」「映画」なので、「ニューシネマ・パラダイス」のような、私の好きな感じで始まって、映画館の歴史をたどる中で、創業者である亡くなったお祖父さんの人生を振り返る不思議な旅に出ることに・・・・いい感じですね、ワクワク。
西表島に炭鉱があったのは知らなかったな。「浅沼」というのは「麻生」を髣髴させますね。きっとそうでしょうね。かなり現地取材もやっている感じがしましたね。そうでないと書けないな、これは。甲子園球場、野球も出て来るし、増山さんの好きなものを詰め込んだ「おもちゃ箱」のような小説ですね。
話の中で、沖縄に「Foujita」と署名する画家が出て来る。「藤田」?「藤田嗣治」?
ちょうど京都で「没後50年藤田嗣治展」をやっていたので見に行ったところ、たしかに昭和8年(1933年)に沖縄を訪れているんですね。その国内取材旅行の流れで、秋田で大壁画を描いた。去年、現地で見ました。
増山さん、映画大好きなんやな。
「七人の侍」「タクシードライバー」「君の名は」「ストレンジャー・ザン・パラダイス」「伊豆の踊子」・・・各章のタイトルが全部「映画のタイトル」なんです!
「CITY LIGHTS」=「街の灯」。チャップリンのこの映画、実は見ていない。見たくなりましたよ。
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(2018、10、21読了)
2018年11月 1日 12:36
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