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『道浦TIME』

新・ことば事情

7013「なぬ?」

「週刊文春」11月30日号の町山智浩さんのコラム「言霊USA第457回」を読んでいたら、挿し絵の澤井健画伯が描いた絵が、トランプ大統領がテレビ画面の中で、

「私は、皆さんの医療保険を守る!!」

と言っていて、それを聞いたオバマ前・大統領が一言、

「なぬ?」

と言っているものでした。

そりゃあ、そうでしょう、この前の大統領選挙で、

「民主党のオバマ前・大統領が作った、医療費の国民皆保険制度はダメだ、全部やめて、もっと良い制度を作る!」

と主張して、トランプ候補は大統領に当選したのですから。

それからたった2年で、「ダメだから全部やめる!」と言っていた制度を、

「守る!」

と。「開いた口が塞がらない」とは、このことを言うのでしょう。恥知らずなウソつきですね。(その意味では日米は協調が取れていると言えるでしょう。)

ところで、なんか懐かしい響きの「なぬ?」という言葉。「ソルティー・シュガー」のコミックフォークソング「走れコータロー」の中でも出て来たなあ。カタカナで、

「ナヌ?」

だったのでは?「鼻血ブー」「アサー」のギャグ(?)で有名な「谷岡ヤスジさん」(1999年、56歳で没)の漫画でも、よく「ナヌ!?」が出て来たような気がしますし、「クレイジーキャッツ」の「ハナ肇さん」あたりも、よく「ナヌ?」と言っていたような記憶が。いずれも、

「1970年代」

ですよねえ。

ところでこの「なぬ?」の意味は、

「なに?」

なのかな?でも「なに?」ならば、漢字で、

「何?」

と書くのではないかな?と思い、ちょっと考えてハタと膝を打ちました。

「なぬ?」は、「なに?」ではなく、

「なにを?」

「縮まった形である」のだと気付いたのです!

まあしかし、大阪人なら「なぬ?」ではなく、

「どの口でそんなこと言うねん、この口か!この口か!!!」

と言うように思いますが・・・。

それにしてもこんなこと、考えもしなかったなあ。

もうそろそろ師走という時に、一体何を考えてるんだろうなあ、俺。

(2018、11、29)

2018年11月29日 17:44 | コメント (0)

新・ことば事情

7012「ご利用いたす」

けさ、通勤電車(京阪電車)に乗っていたら、こんなアナウンスが。

「現在、京橋駅では、中央トイレの改修工事を行っているため、中央トイレはご利用いたすことができません。ご面倒をおかけしますが、ご了承ください。」

左様でござるか。

「ご利用いたすことができません」

とは、「敬語のつもり」なのでしょうか?正しくは、

「ご利用になることができません」

「ご利用いただくことができません」

「ご利用になれません」

「ご利用いただけません」

でしょうね。混ざっちゃったのかな?混交表現かな。

普段使わない言葉で、丁寧な感じの言葉を使ってみた、ということで、

「ハイ、間違い!」

という例でした。

(2018、11、29)

2018年11月29日 17:43 | コメント (0)

新・ことば事情

7011「『2ケタの勝ち星』のアクセント」

大相撲九州場所は、小結・貴景勝の初優勝で幕を閉じました。

その千秋楽のNHKの中継で、男性アナウンサーが、元大関の琴奨菊が、

「2桁の勝ち星」

を挙げたことを伝える際に、アクセントが、

「フ/タケタノカチ\ボシ」

と「コンパウンド」して(アクセントの山が1つで)話しているのを聞いて、違和感がありました。これだとまるで、

「競馬の馬の名前」

のようです。「固有名詞」ならば、多少長くてもコンパウンドしたように読むことはあります。しかしこれは、

「フ/タ\ケタノ・カ/チ\ボシ」

「2語」に区切って、それぞれ「中高アクセント」で読むべきではないか?と、私は思うわけですね。

『NHK日本語発音アクセント新辞典』で「2ケタ」を引いたところ、

「(フ)タ\ケタ」(私の表記の仕方だと「フ/タ\ケタ」)

と、最初の「フ」は「点線の〇」で囲まれていて「母音の無声化」が起こることを示し「タ」にアクセントの山があると記してあり、それ以外のアクセントは記されていません。

特定の言葉をよく使う人たちには「コンパウンド」が起こり、

「アクセントの山が1つになる」「なだらかな稜線の山のように、ひとつながりになる」

ということは、知っていますが、これは、「どうなのかなあ・・・」と思いました。

(2018、11、29)

2018年11月29日 17:39 | コメント (0)

新・ことば事情

7010「拷問」

帰宅途中の電車内の広告ポスターに、黄色の地に、黒い太い文字で、

「拷問」

という大きな文字が書かれているのに目を引かれました。

え!?「拷問」?何の広告なの?

と思ってよく見たら、

「摂問」

でした。「拷問」に見えた・・・。

「摂南大学」

一般入試相談会というのが、12月15日土曜日に開催されるという広告でした。

目を引くのは間違いありませんが、ちょっとびっくりしました。

(2018、11、28)

2018年11月29日 17:38 | コメント (0)

新・ことば事情

7009「漫画の吹き出しの文字の縦横」

先日、メジャーリーグを舞台にした野球漫画を読んでいて、急に気付きました。

*日本人選手が日本語でセリフをしゃべっているときは「縦書き」

*外国人選手が外国語でセリフをしゃべっているときは「横書き」

になっていたのです!

これまで、全然、気付かなかった!

もちろん、「吹き出し」の中の外国人選手のセリフも、

「日本語で書かれている」

のですが、それを「横書き」にすることで、

「外国語をしゃべっているのを翻訳した感じ」

を出そうという工夫しているのでしょうね。これは漫画の世界では「常識」なんでしょうかね?

この漫画では、日本人選手の「通訳」をする日本人が出て来るのですが、この男が、

「日本人選手」としゃべっている場面では、吹き出しの中のセリフは「縦書き」で、

「外国人選手」に英語で通訳している場面では「横書きの日本語」でセリフが書かれているのです。

あまり気付かれていないかもしれませんが、いろんな工夫があるのですねえ。

また、現在ヨーロッパを舞台に描かれているジャズの漫画『BLUE GIANT SUPREME』(石塚真一、小学館)では、外国人としゃべる場面も「日本語」で書かれていますが、セリフはやはり、

「横書き」

になっています。

時々、仲間以外の外国人としゃべる場面では、「英語」や「ドイツ語」が出て来て、その「日本語訳」が、吹き出しの中の外国語の下に( )で書かれていました。

しかし、主人公・大が「下手な外国語」をしゃべる場面では、

「カタカナで縦書き」

また、「大の頭の中の考え、声に出ていないもの」は、

「縦書き」

になっていました。これは、

「日本語での思考だから」

なのでしょう。さらに、最近読んだ他の漫画では、手塚治虫の『ブラック・ジャック』『リボンの騎士』は、原則「縦書き」ですが、「日本人の日本語」でも、スペースの都合で、外国語ではないのに「横書き」のこともありました。

(2018、11、26)

2018年11月26日 19:12 | コメント (0)

新・読書日記 2018_160

『職業、女流棋士』(香川愛生、マイナビ新書:2018、8、31)

美貌の女流棋士・香川愛生さん。このところ藤井聡太七段の活躍や、キャラクターがユニークな加藤一二三九段などの活躍で「将棋」に注目が集まっている。とはいえ、これが「女流棋士」となると、男性ほどはスポットライトが当たっていない気がする。

そんな中で、もっと「将棋」に、そして「女性棋士」を広めよう、知ってもらおうと、すごく頑張っている気がする香川さん。恐らく単著としては初めての本。ものすごく生真面目な様子がよく見て取れます。まだ若いから当然かもしれませんが。

将棋のことだけでなく、もちろん彼女という人間の生きざまも読み取れる一冊。興味深いです。


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(2018、11、21読了)

2018年11月26日 19:09 | コメント (0)

新・読書日記 2018_159

『ブラック・ジャック第1巻』(手塚治虫、秋田書店:1987、4、5第1刷・1990、10、25第35刷)

「手塚治虫生誕90年」ということで、昔の漫画本を取り出してきて読んでいる。「アドルフに告ぐ」4巻を読んだが、全然古くない。内容も絵もストーリーも。

そしてこの「ブラック・ジャック」も。「命」を巡る医療の問題は、根本は変わらない。何千年たっても。また、無免許の医者ということで、あれ?他局のドラマで無資格の(弁護士資格を剥奪された)女性弁護士が活躍するのがあったな?と思った。「資格」と「腕」と、必要なのは何?ということかなあ。


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(2018、11、18読了)

2018年11月23日 19:02 | コメント (0)

新・読書日記 2018_158

『サカナとヤクザ〜暴力団の巨大資金源「密漁ビジネス」を追う』(鈴木智彦、小学館:2018、10、16第1刷)

ネットで評判になっていたルポ本。タイトルがいいですよね「サカナ」と「ヤクザ」。語呂が言い。「サカナ」、つまり漁業には「ヤクザ」が絡んでいると。そう言うと、何だか漁業がうさん臭く思えてしまうが、そもそもその辺の境界線は、あいまいだったんですよね、どんな業界でも。それが白黒はっきりさせるような世の中になって来たので、従来型の境界線があいまいな産業は、後ろ指を指されるようなことも、あるのではないかと。

それと、やはり漁業の場合は、漁場・仕事場が広い。地球の7割は「海」で、そこが仕事場なんだから。でもそこも、かなり細かく区分されて漁業権がある。その隙を突いての「密漁」。東日本大震災の後、一時、漁業が禁止になった時期があった。そういう間隙を突いてくるのがヤクザ、密漁。海上保安庁との戦いの様子を取材したのが第1章。

第2章は、自ら築地市場に潜入して4か月働いてのルポ。築地市場にも「密漁もの」が入っているのか?を調査。ドキドキ。

その後、第3章は北海道の「黒いダイヤ」と呼ばれる「ナマコ漁」。今、密漁バブルなのだそうだ。

更に、千葉の暴力の港・銚子(良いのかな、こんな書き方して。本の目次に書いてあるんだけど)の支配者の歴史や、北海道のカニ漁、九州・台湾・香港で追跡するウナギ国際密輸など、漁業を巡る裏社会とのつながりは、深く暗い。。。


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(2018、11、12読了)

2018年11月23日 18:56 | コメント (0)

新・読書日記 2018_157

『コンビニ外国人』(芹澤健介、新潮新書:2018、5、20)

最近、コンビニの店員さんが外国人であるのは、普通だ。中国人や韓国人だと、日本人と見た目はあまり変わらないのですぐにはわからないが、見た目ですぐ外国人とわかる人もいる。特に東京のコンビニでは、そういう外国人多い気がする。

そんな中で、この本。興味を持って読んだ。

折しも国会では「外国人労働者の枠」を拡大することの是非が、論じられている。また、ここ1~2年は「働き方改革」が社会を席巻している。私たち「会社勤めの者」にとっては、「働き方改革」という言葉は、大変身近である。(実質は「働かせ方改革」のようにも思えるが。)そして、韓国で「徴用工」の裁判の判決も出た。これも「働かせ方」の問題だ。

一体「労働」「働く」「働かせる」とは、どういうことなのか?ということを、根本から考えなくてはならない時代に来ていると言えるのではないだろうか?

少なくとも現在の日本では、外国人労働者が(も?)日本人の生活を支えてくれていて、しかもその待遇はすこぶる悪いというのは間違いのないところだろう。データを誤魔化すなんて、明らかにおかしい。本末転倒である。

日本人だって、これだけ「正規雇用」が減って「非正規雇用」が増えて「終身雇用制」がほぼ崩壊している現状は、「待遇が良くなっている」とは、全然言えない。

今までのように「円」が強く、それでいてアジアの他の国にとって「日本が魅力的な国である」というのは、現実的ではない。「日本人」は「日本」の姿を、冷静に・客観的に見つめ直すべきだ。

そういえば「東京五輪のボランティア」、案の定、当初の予定ほど、人が集まっていないという。「ボランティア」だって「労働の一種」だと思う。

「働く」ってなんだ!?


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(2018、10、28読了)

2018年11月23日 18:55 | コメント (0)

新・ことば事情

7008「姫路のアクセント」

先日、鹿児島出張の際に飛行機が取れずに、新大阪から新幹線に4時間乗って、鹿児島まで行きました。その際に、山陽新幹線の車内アナウンスで、

「姫路」

をどんなアクセントで言うかが気になって、耳を澄ませていました。

そうすると、「録音されたアナウンス」も「女性車掌の生アナウンス」も、

「ヒ/メジ」

という「平板アクセント」でした。

そして、「録音された英語アナウンス」のみ、「頭高アクセント」で、

「ヒ\メジ」

でした。記録しておきます。

(2018、11、23)

2018年11月23日 17:23 | コメント (0)

新・ことば事情

7007「3円のアクセント」

11月22日のお昼の「ストレイトニュース」で、日本テレビ・後藤晴菜アナウンサーが、株式市況で、「3円」を、

「サ\ンエン」

と「頭高アクセント」で読んでいましたが、違和感がありました。

2008年9月に、私たちが検討して出した「放送で使用する助数詞」(新聞用語懇談会放送分科会編)では、

「サ/ンエン」

という「平板アクセント」しか載っていません。

念のため、2016年5月に出た『NHK日本語発音アクセント新辞典』巻末の「助数詞のアクセント一覧表」を見てみたら、「第1アクセント」は「平板アクセント」の「サ/ンエン」でしたが、なんと「第2アクセント」として「頭高アクセント」の、

「サ\ンエン」

も載っているではありませんか!

うーん、放送分科会で検討してから(2008年9月)、新アクセント辞典が出る(2016年5月)までの8年間で、「頭高アクセント」も容認されたのか‥‥と思いましたが、それでも私は「平板アクセント」の、

「サ/ンエン」

を推奨します。関西弁では、

「サ/ン\エン」

と「中高アクセント」とになりますが、関西人が「標準語アクセント」だと思ってしゃべると、「頭高アクセント」で、

「サ\ンエン」

になると思います。30数年前、入社当時の私がそうでした。

そうすると、

「関西風標準語アクセント」=頭高アクセントの「サ\ンエン」

が広がって来たということですかねえ?

(2018、11、22)

2018年11月22日 16:51 | コメント (0)

新・ことば事情

7006「ご遠慮か?失礼か?」

「喪中欠礼」のはがきが毎日のように届きます。

それを見た、中2の娘からの質問です。

「年始の挨拶を『ご遠慮します』と『失礼します』は、どう違うの?」

「さあー、どうだろう?気にしたことなかったな。喪中というのは、喪に服しているということだけど、その間は穢(けが)れていると考えられるので、その穢れが、おめでたい年始にうつらないように『ご挨拶をする(年賀状を出す)のは遠慮します』ということで、また遠慮することで年始の挨拶がないのは失礼に当たると言うので、あらかじめ『失礼します』と言ってるんだよね。つまり同じことかな。」

「でも『遠慮』って、『うちは、今年は喪中だから、年賀状を出すのは遠慮してください』って意味じゃないの?」

「それは違うね。喪中の家の人は年賀状を出さないけど、その人に対して年賀状を出してもいいんだよね。でも、喪に服していると言っている人に『新年おめでとう!』と出すのは、やはり失礼に当たると考える人も多いから、喪中はがきが来た人には、普通は、年賀状は出さないよね。」

というところで、実際に家に届いた「喪中はがきの文言」をチェックしてみました。

今年すでに届いた喪中はがきは16通。その文面は以下のように分けられます。(  )内はバリエーションです。

(1)「喪中につき(のため)年末年始(新年)のご挨拶を(は)ご遠慮申し上げます」

(2)「喪中につき(のため)年末年始(新年・年頭)のご挨拶を(は)失礼させていただきます」

これを「遠慮」と「失礼」で分類し、さらに「喪中につき」か「喪中のため」か、「年末年始」か「新年」か「年頭」か、「(ご挨拶)を」か「(ご挨拶)は」かで分けて数えたら、以下の通りでした。

  1. 遠慮=10:「につき」9、「のため」1。「年末年始」8、「新年」1、「年頭」1。

    「を」7、「は」3。

(2)失礼=8:「につき」6、「のため」2。「年末年始」5、「新年」2、「年頭」1。

「を」5、「は」3。

ということで、拮抗していますが「遠慮」のほうが「失礼」よりも少し多かったです。

ついでに、去年より前に頂いた喪中はがきで手元に残っていたものも調べてみました。そすると、

(3)「年始めの御挨拶を控えさせて頂きます。」

という、「全文手書き」(印刷文面ではない)の喪中はがきも1通、ありました。

(1)遠慮=4:「につき」=4、「のため」=0。「年末年始」3、「新年」1。

「を」3、「は」0、「助詞なしの『ご挨拶』」1。

(2)失礼=6:「につき」=5、「のため」=1。「年末年始」=3、「新年」=2、「年頭」1。

「を」2、「は」3、「助詞なしの『ご挨拶』」1。

(3)控えさせて=1。「を」1。

と、今度は「失礼」のほうが多かったのです。

今年のもとを合わせて、トータルでは

*「遠慮:失礼:控えさせて」=「14:14:1」

*「につき:のため:(表現なし)」=「24:4:1」

*「年末年始:新年:年頭:(表現なし)」=「19:6:3:1」

*「(ご挨拶)を:(ご挨拶)は:助詞なし」=「18:9:2」

ということになり、(「年末年始」「喪中につき」という表現がなかったものが1通)

「『遠慮』と『失礼』が同数」

という、思いも寄らない結果になりました!

(2018、11、23)

2018年11月22日 16:49 | コメント (0)

新・ことば事情

7005「存在感を放つ」

「関西情報ネットten.」のデスクから質問を受けました。

「『存在感を"放つ"』って言うでしょうか?」

「え?言うんじゃない?」

「でも『存在感』というと『ある』『ない』ではないでしょうか?」

「まあ当然、それも言うけど。『存在感のある』は、『ただ、ある』『いるだけで、何もしなくても存在感がある』という感じで、主に『風貌』かな。それに対して『存在感を放つ』は、『外に向けて自然とにじみ出している存在感』。つまり『発言や行動でもって、存在感をアピールしているケース』のように感じるね。例えば、大相撲の『横綱』が、そこに座っているだけで『存在感がある』が、その横綱が土俵で練習して取組で相手を圧倒している様子を見ると『存在感を放っている』と感じますね。あるいは、横綱が多くのファンに囲まれて、にこやかに対応している様子などは『存在感を放つ』と言えるのではないかな。」

と答えたところ、

「わかりました!」

と元気よく返事していました。

私は「存在感を放てた」でしょうかね?

(2018、11、21)

2018年11月21日 18:48 | コメント (0)

新・ことば事情

7004「キルギス」

11月20日、サッカー日本代表(FIFAランキング50位)は、キリンチャレンジカップで「キルギス」(FIFAランキング90位)と対戦し、山中、原田、大迫、中島のゴールで、4-0で完勝しました。なかなか素晴らしい攻撃でした。

さて、対戦相手の、

「キルギス」

ですが、以前はたしか、

「キルギスタン」

と言ったのではないか?

「カザフスタン」「ウズベキスタン」「タジキスタン」「トルクメニスタン」

と並んで、

「〇〇スタン」

という、ペルシャ語で「〇〇の多い土地」「国」という意味の語尾が付く「旧ソ連邦の国」ではなかったか?と思ったのです。

外務省のデータを見ると「キルギス」の人口構成は、

「キルギス系(73.2%)、ウズベク系(14.6%)、ロシア系(5.8%)、ドゥンガン系(1.1%)、タジク系(0.9%),ウイグル系(0.9%),その他タタール系,ウクライナ系など」

となっていました。「キルギス系」が多数派だけど「ウズベク系」も15%近くいるのですね。国の歴史を見ると、

1990年12月15日:「キルギスタン共和国」に改名,国家主権宣言

1991年8月31日:国家共和国独立宣言

1993年5月:国名を「キルギス共和国」に変更

とありました。

もう25年も前に「国名変更」されていたのですね。

(2018、11、21)

2018年11月21日 18:26 | コメント (0)

新・ことば事情

7003「ハロウィーンのアクセント」

もう、1か月ほど前に今年も過ぎちゃったけど、来年のために書いておきます。

「ハロウィン」か?「ハロウィーン」か?

という「表記の違い」、「―」が入るかどうかに関しては、「平成ことば事情5878ハロウィーンの表記」で書きましたが、「アクセント」については書いていませんでした。

今年あたり耳を澄ませて聞いていたら、

  1. 「ハ/ロウィ\ーン」(中高アクセント)=「ウィ」にアクセントがある。

  2. 「ハ\ロウィン」(頭高アクセント)=「ハ」にアクセントがある。

という「2種類のアクセント」があり、

アナウンサーは(1)「ハ/ロウィ\ーン」のように後ろの「ウィ」にアクセントがあるアクセントで読んでいますが、記者などは(2)「ハ\ロウィン」と「頭高アクセント」で「ハ」にアクセントでしゃべる傾向が、局を問わずにあるようです。

しかも(1)の場合は「ウィ」にアクセントがあるので、少し「ウィー」が伸びるように聞こえて「ウィーン」となり、(2)の場合は最初の「ハ」にアクセントがあるので、後ろの「ウィ」は伸びないで「ウィン」の短くなる傾向があります。

つまり、実は「表記」の問題より先に「アクセント」の問題があり、そのアクセントに従って書くと「-」が入るかどうか、ということにつながっているのではないか?

もっと言えば、「ハロウィーン」と書いてあれば、「ウィ」にアクセントを持って行って、(1)のように「ウィー」と伸ばして読むし、「ハロウィン」と「-」が入っていなければ、「ハ」にアクセントを持って行く「頭高アクセント」で、「ウィ」は伸ばさないで読めばいいのではないか?と思ったのですが、いかが?

(2018、11、21)

2018年11月21日 18:24 | コメント (0)

新・読書日記 2018_156

『日本語びいき』(清水由美・文、ヨシタケシンスケ・絵、中公文庫:2018、8、25第1刷、2018、10、25第2版)

こんな良い本が出ていたとは知りませんでした。「週刊文春」の書評欄で知って取り寄せて購入、読みました。外国人に日本語を教えている先生の視点というのは、確かに我々がふだん当たり前に使っている日本語の「フシギ」を問いかけてきて、当たり前のことを「なぜ?」と尋ねられると、答えられないような日本語の不思議。だからこそおもしろい!と思える一冊です。読むべし!


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(2018、11、9読了)

2018年11月20日 21:23 | コメント (0)

新・読書日記 2018_155

『ハーフが美人なんて妄想ですから!!』(サンドラ・ヘフェリン、中高新書タクレ:2012、6、10)

ちょっと前に出た本だが、ネットで知って取り寄せた。

「ハーフ」というと一般の人は「テレビに出ているカッコイイ人」というイメージがあると思うが、それは「欧米系の白人とのモデルのようなハーフ」だろう。「ハーフ」だって、いろんな「ハーフ」の人がいるし、中にはお父さんが外国人でお母さんが日本人で、見た目は「ハーフ顔」だけど「日本生まれの日本育ち」で「日本語しかしゃべれない」人だって当然いる。でも「外見とのギャップ」があったりして、それが「差別」というか「マイナス評価」につながったりしている現状があるという。当事者の声だけにとても参考になる。タイトルが全てを物語っているが、その「具体例」や「心情」が細かく記された一冊で勉強になりました。

そうそう、この後で読んだ手塚治虫の漫画『アドルフに告ぐ』の主人公の、神戸で生まれ育った「2人のアドルフ」も「ハーフの悲哀」を存分に味わっていた。(ユダヤ人のアドルフは「ハーフ」ではないが「日本生まれの日本育ち」)いや「悲哀」どころか「命の危険につながるような差別」であった。当たり前の話だけど、

「人を見た目だけで判断してはいけない」

ということですね。


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(2018、11、8読了)

2018年11月20日 21:21 | コメント (0)

新・読書日記 2018_151~154

『アドルフに告ぐ 第1~4巻』(手塚治虫、文藝春秋:1985、5、30第1刷、1985、6、30第3刷)

2018読書日記151『アドルフに告ぐ 第1巻』(手塚治虫、文藝春秋:1985、5、30第1刷、1985、6、30第3刷)

2018読書日記152『アドルフに告ぐ 第2巻』(手塚治虫、文藝春秋:1985、6、30第1刷・1985、8、20第2刷)

2018読書日記152『アドルフに告ぐ 第3巻』(手塚治虫、文藝春秋:1985、8、1第1刷)

2018読書日記154『アドルフに告ぐ 第4巻』(手塚治虫、文藝春秋:1985、11、10第1刷)

ことしは「手塚治虫生誕90年」だそうだ。そういえば手塚治虫は「平成元年」に亡くなった。当初「63歳」と言われていたが、実は「3歳サバを読んでいた」ということで、実年齢は「60歳」!若い!若すぎる!当時もう大御所だったので、もっとずっと年齢が上だと思っていたのだが・・・。

ということで、本棚の奥から30年以上前に買って読んだこの本を出してきて読んでみた。こんな話だったのか!

「3人のアドルフ」の物語。1人はもちろんヒットラー、そしてあと2人は、幼なじみの友達だがユダヤ人とナチスに入る男。狂言回しのようにというか、物語の主人公の一人は、W大学の陸上選手出身で、通信社の記者・峠。「W大学」と書いているけど、ゲシュタポにつかまって拷問されたときに「何やら、わけのわからない歌を歌ってますぜ」とゲシュタポが言った時に歌っていた歌は「♪ミーヤーコーノーセーイーホーク、ワセダーノモリニー」、おおわが母校・早稲田大学校歌「♪都の西北」ではないか!大阪大学医学部出身の手塚治虫が、なぜ主人公を早稲田出身の設定にしたのだろうか?と思いました。

それにしても手塚治虫は、一体どのぐらい、現地で取材したりしたのだろうか?文献だけで、インターネットも無い時代に、この漫画・物語を書いたのか?スゴイ!

実写版でドラマにしたいぐらいでした。

第1巻(2018、11、10読了)(☆5つ)

第2巻(2018、11、11読了)(☆4つ半)

第3巻(2018、11、12読了)(☆4つ半)

第4巻(2018、11、13読了)(☆4つ半)


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(2018、11、13読了)

2018年11月20日 20:58 | コメント (0)

新・読書日記 2018_150

『現代用語の基礎知識2019』(自由国民社:2018、11、8)

こんばんは。読売テレビ・道浦です。

『現代用語の基礎知識2019年版』、今年も11月8日に発売されました。

ありがとうございます。

私も今年も3ページだけですが「日本語事情」ということで書かせていただきました。

「2006年版」=「平成18年版」から書かせていただいて、今回で14回目になります。今回は「平成」を振り返って書きました。

今年から「版が大きくなった」のに驚きましたが、これって20年ぐらいまではこの大きさでしたよね。

20年前は老眼ではなかったのですが、最近はもうこの「大きい版」の方が助かりますね、ちょっと嵩ばるけど。

「グリーンの表紙は、良い色だな」

って思ったら「葉っぱ」が描かれていて、

「あ、そうか、『言の葉』なのだな」

と気付きました。

ついに「平成」が終わる年、「2019年」は、一体どんな年になるのでしょうかね。

ぜひお買い求めになって、お読みいただきたいと思います。


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(2018、11、3)

2018年11月20日 20:56 | コメント (0)

新・読書日記 2018_149

『BLUE GIANT SUPREME 5』(石塚真一、小学館:2018、7、4)

読んだと思っていて読んでなかった。先に「第6巻」を読んでいましました。あわてて購入した漫画。『ビッグコミック』での連載は読んでるからね。

ようやく「4人」のジャズの仲間が集まって「バンド」が出来た。そのデビューの「場」を求めて苦悩する。ようやく「場」が出来てデビューするのだが・・・空回り。しかし、その可能性に気付いてくれた「マネジャー」がいた。新たなジャズ人生が転がり始める・・。

人と人とのつながりを大事にする主人公「大」の前向きの生き方に共感!


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(2018、11、10読了)

2018年11月20日 20:38 | コメント (0)

新・ことば事情

7002「キャメルのトップス」

先日近くのショッピングモールを歩いていたら、館内放送で次のようなアナウンスが流れました。

「先ほど、〇〇キャメルのトップスをお買い上げのお客さま、お伝えしたいことがございますので、〇〇までおいでください」

この、

「キャメルのトップス」

とは何ぞや?

私の理解では、おそらく、

「ラクダ色のシャツ」

ではないかと思われるのですが・・・何だか『シャレオツ』でやんすねえ・・・。

(2018、11、16)

2018年11月16日 11:44 | コメント (0)

新・ことば事情

7001「ねじれ」

11月6日(日本時間の7日)、アメリカの中間選挙で、

「下院では民主党が多数派」

を握りました。

これによって「与党・共和党のトランプ大統領」にとっては、

「ねじれ」

が生じました。「上院」では「共和党」が多数派を握っています。

これで、日本の場合だと、

「衆議院と参議院が"ねじれ"」

という表現がされますが、アメリカの場合は、

「上院と下院が"ねじれ"」

とするのは、少しおかしいのではないか?という意見が出ました。

日本は「議院内閣制」で、アメリカは「大統領制」です。ですから、アメリカでの「ねじれ」というのは「上院と下院」ではなく、

「大統領(の所属政党)と下院の多数政党」または、

「大統領(の所属政党)と上院の多数政党」が異なる場合

なのではないでしょうか?

「ミヤネ屋」でも当初、その考え方が混在していましたが、なんとか修正できました。

11月7日の「夜7時のNHKニュース」では、

「上院と下院がねじれ」

のように聞こえたのですが、どうなんでしょうね?

また、11月7日の各紙夕刊は、

【読売新聞】(見出し)「民主が下院奪還」「トランプ政権とねじれ」

(本文)「下院で野党・民主党が指導権を握る『ねじれ』状態となり」

【朝日新聞】(見出し)「米民主党 下院奪還へ」「トランプ政権 打撃」

「上院は共和党が制す」

(本文)「議会の上下院でねじれが生じることで」

【毎日新聞】(見出し)「民主が下院奪還」「トランプ政権に打撃」「上院は共和維持」

(本文)「上下院の多数派政党が異なる『ねじれ』が生じるのは8年ぶり」

【産経新聞】(見出し)「トランプ共和 下院敗北」「上院は共和 議会ねじれ」

(本文)「民主党にとっては8年ぶりの下院奪還で、上下院のねじれを利用して」

【日経新聞】(見出し)「民主、下院多数へ」「上院は共和、議会でねじれ」

(本文)「上院と下院で多数派が異なる『ねじれ議会』となる」

で、「大統領と議会のねじれ」という書き方をハッキリとしたのは「読売新聞だけ」でした。逆に朝日・毎日・産経・日経は「上院と下院でねじれ」と書いています。

(2018、11、15)

2018年11月16日 11:43 | コメント (0)

新・ことば事情

7000「強者の論理」

このところ、しばしば耳にする言葉に、

「強者の論理」

があります。これはどういうことか、考えてみました。というか、ひらめきました。

それ(私の理論)によると、「強者の論理」とは、

「経済的合理性」

であろうと。

それも「これまでの資本主義」がベースとしていた「民主主義」の中から、

「多数決の原則だけ」

を取り出して、

「少数意見の尊重」

ということで"担保"していた、

「『弱者の権利』を切り捨てる」

ということではないかと思いました。

つまり「強者の論理」「新資本主義」に基づく「自由」というのは、言葉は同じでもその内容は従来の「自由」ではない。言葉は同じでも、内容はすり替えられているということではないでしょうか。

そもそも、「自由」は無制限の自由ではない。安全性を伴うことでブレーキをかけているのに、それではスピードが出ないと、

「ブレーキなんて外してしまえ!」

というのが、「新資本主義」「強者の論理」のように思えるのですが、いかがでしょうか?

ということで、「平成ことば事情」、ついに

「連載7000回」

に到達しました!!!パチパチパチ。

「平成」のうちに到達できました。あと半年足らずでどこまで伸ばせるかですね。

ちなみに過去の1000回~6000回までの到達日と項目を記録しておきましょう。

第1回  =1999、4、15「超永久保存版」(HPへのUPは1999、7)

1000回=2003、1、10「ガタンゴトン」

2000回=2004、12、3「ボンタンと文旦」

3000回=2007、9、16「420円のアクセント」

4000回=2010、5、24「『くびちょう』か?『しゅちょう』か?」

5000回=2013、2、18「七冠の読み方」

6000回=2016、2、15「立ち振る舞い」

7000回=2018、11、7「強者の論理」

1 ~1000回=3年 6か月

1001~2000回=1年11か月

2001~3000回=2年 9か月

3001~4000回=2年 9か月

4001~5000回=2年 9か月

5001~6000回=3年 0か月

6001~7000回=2年 9か月

フー。めちゃくちゃコンスタントに書いてますね。我ながら、

「継続は力なり」

だと思います。今後ともお付き合いを!

(2018、11、7)

2018年11月 7日 19:09 | コメント (0)

新・ことば事情

6999「レオパード柄」

「ミヤネ屋」の若い女性スタッフが、両手の指にマニキュアをしていました。

その柄がいわゆる「ヒョウ柄」だったので、珍しいなあと思って、

「オシャレやね」

と声を掛けました。(セクハラと思われないように。)

すると、

「レオパード柄です」

という返事が。

「へえー、『レオパード柄』って言うんだ、『ヒョウ柄』のことを。知らんかった!」

ということでネタが一つ増えたと。

調べてみると、確かにそういう言い方をしているようですね。

グーグル検索では(11月7日)、

「レオパード柄」=875万件

も出て来ました!!

一方、たぶん同じことを指すと思うんだけど、

「ヒョウ柄」

と言うと、一気に、

「大阪のおばちゃん」

ぽくなってしまう、こちらの呼び方では、

「ヒョウ柄」=2350万件

と、4倍ぐらい出て来ました。もしかしたら、、

「"大阪のおばちゃん感"を避ける呼び方として『レオパード柄』という言葉が広がっている」

のでしょうか?

こういった言葉をいち早く取り上げることで有名な『三省堂国語辞典・第7版』を引いてみましたが、「ヒョウ柄」「レオパード柄」は載っていませんでした。

また『現代用語の基礎知識2018』には、「レオパード」は載っていましたが、「空見出し」で「『レパード』を見よ」となっていて、「レパード」を見たら、

「ヒョウ。レオパード」

となっていて「レオパード柄」は載っていませんでした。

「レパード」って名前の車が、昔あったな。今もあるのかな。

「レオパード柄」、流行ってますよ。

(2018、11、7)

2018年11月 7日 19:07 | コメント (0)

新・読書日記 2018_148

『BLUE GIANT SUPREME 6』(石塚真一、小学館:2018、11、4)

あれ?第5巻の感想、書いてないやん、読んだのに。またあとで書きます。

最新の第6巻では、ようやく4人のバンドを組むことができた、主人公の大(だい)。

ぶつかり合いながらも、それぞれの良さを認め合い、より大きな舞台へのきっかけをつかもうと前向きに努力するメンバー。

やっぱり「ジャズフェスティバル」に出ることが、知名度を上げることになると、申し込んだジャズフェスは、誰も聞いたことのない、手作りの今回が初めてのフェスだったが・・・。そのジャズフェスを手掛ける人たちの情熱も、熱い!!


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(2018、11、5読了)

2018年11月 7日 17:00 | コメント (0)

新・読書日記 2018_147

『甲子園という病』(氏原英明、新潮新書:2018、8、20)

最近はやや緩和されたが、やはり「甲子園」の高校野球のスケジュールというのは、ものすごく「タイト」だ。連戦につぐ連戦。夏の暑い中、しかもここ数年の猛暑の中、昼日中、炎天下で試合が行われる。プロのようにピッチャーがたくさんいてローテーションがあるわけではなく、強いチームでも、エースが1人で何試合も。勝ち上がれば勝ち上がるほど、投げ抜くのだ。まさに鉄腕。そう、今年の夏の秋田・金足農業のエースもそうだった。それをまた、我々マスコミが「美談」にしていく・・・。

「甲子園」が「ゴール」ならばそれでもいいかもしれない。しかしその後「プロ」に入って「野球」を「仕事」にしようとしている選手もいるにもかかわらず、「ピークが甲子園」になってしまい、肩を壊して、その後の長い人生の設計が狂ってしまうことも。甲子園の優勝投手がその後、大成したかどうか、そのあたりも著者は追跡取材している。また、監督たちに「あれで良かったと思うか?」という取材も行っている。いろんなケースがあるだろうが、たしかにこの日程と、投手の投球数制限の無い中、炎天下に野球をやるのは、昔ならともかく、今は「おかしい」と言えると思う。炎天下の「東京五輪」と同じように。もし、倒れたりしたら「自己責任」なのか?未成年の高校生が。考えるべき時期に来ているな。


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(2018、10、22読了)

2018年11月 7日 11:37 | コメント (0)

新・読書日記 2018_146

『劣化するオッサン社会の処方箋~なぜ一流は三流に牛耳られるのか』(山口周、光文社新書:2018、9、30第1刷・2018、10、10第2刷)

これ、売れてるんだな。

ちょっと、オッサンが電車の中で読むには恥ずかしいタイトルだったので、カバーを外して読みました。

タイトルほど、明らか・明からさまに恥ずかしい、平たい内容ではなく、中はビジネス書。重要な所は、まるで蛍光ペンで塗ったように太字で、しかも網掛けになっているが、これ、そこだけ読めばいいのかな?参考書のようだが、全部ちゃんと読もうとすると、かえって読みにくい感じだった。

そういえばこの本の中でも、レイ・ブラッドベリ原作の「華氏451度」が出て来た(163~164ページ)。と言っても、トリュフォーによる映画の方だが。あらゆる本の所持が禁じられ、見つかった本はすぐに火炎放射器で焼かれる近未来。著者はそれを「外見だけは美しく着飾っているけれども中身は空っぽの人々と社会」を表していると。まあ、そうなんだけど、それだけではないと思うんだけれども。


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(2018、10、24読了)

2018年11月 7日 11:33 | コメント (0)

新・読書日記 2018_145

『記者、ラストベルトに住む~トランプ王国、冷めぬ熱狂』(金成隆一、朝日新聞出版:2018、10、30)

「ラストベルト」の「ラスト」は、「最後」の意味の「last」ではなく「錆び付いた」の意味の「rust」であると、どのくらいの人が分かるのかな、といつも思う。でも「錆び付ついた」ままで終わってしまうのなら「rust」であると同時に「last」なのかなとも思う。

朝日新聞のニューヨーク特派員として2016年の大統領選挙で取材したこの地域の人たちは、実際にトランプが大統領になって1年以上経過して(まもなく2年、中間選挙)、どういう風に感じているのかを、実際にその地域(地元の人が「あそこに住むのは、やめた方がいい!」と言うような治安の悪化した地域)に3か月間住み込んで取材したのが本書。

結論はサブタイトルに記されている。

「トランプ王国、冷めぬ熱狂」

であろう。もちろん、期待したほどの成果は上げられていないし、政策はデタラメな方向だと専門家は言うし、客観的に見たらそれが正解だろう。しかしトランプ"信者"にとっては、そうは見えていない。「期待」が「実態」を上回ったままなのである。それが「破滅」に向かう「きらびやかな目抜き通り」だとしても。

ちょうどこの本を読み終わってすぐに、マイケル・ムーア監督の最新作「華氏119」を見た。「119」というのは、日本の消防車・救急車の電話番号ではあるが、それは意識されていないのではないか。ムーア監督の出世作(と言っていいでしょう)「華氏911」の「その後」という意味合いもあるし、「119=11月9日(2016年)」はトランプが大統領になることが決まった日でもある。もともとの「華氏911」は「9月11日(2001年)」のアメリカ・ワールドトレードセンターへの航空機衝突テロに始まる21世紀・テロの世紀に、アメリカが、ジョージ・ブッシュ大統領がどう対応したかを描いたものであった。アメリカにおける警察の電話番号が「911」であることも意識されていたかもしれない。そもそも「華氏911」というタイトルは、ブラッドベリ―のSF小説「華氏451度」へのオマージュでもある。「華氏451度」とうのは「紙が燃える温度」、つまり「焚書」=反知性的なファシズムの台頭に警告を与えるものであった。

さて、この映画「華氏119」は、封切り2日目の夕方の回で、シネコンの100席ある客席に、観客は10人だった。映画のテーマは、「水道」「銃乱射」「トップの無能」などだった。過去にマイケル・ムーア監督の作品を見た時に感じたのは「アメリカの闇の部分は深いなあ、大変だなあ」という他人事であったが、今回は「銃乱射」以外は、まるで日本の出来事と同じで、なぞらえながら見ることが出来た。あんなにウソばかり吐ついて人を攻撃する下品な人がアメリカの大統領。後半は、「トランプを見くびるな、ファシストはそういう形でやってくるのだ」と、ヒットラーの演説の映像に、トランプの演説をかぶせたり、かなり恣意的(マイケル・ムーア風)ではあったが、同じことは日本にも言える。いや、アメリカと日本だけでなく、世界の多くの国でそういった事態が起こっている。民主主義の危機であるということに警鐘を鳴らしている。

日本では「銃」の危機は今のところないが、「薬物の危機」は忍び寄っているのではないかとも、本書を読んで感じた。貧困に陥った「ラストベルト」の人たちが、現状の苦しさから逃れるために「クスリ」に手を出して、その人生を滅ぼしていく、それがはびこっている様子。「オピオイド系」の鎮痛剤の乱用。よくは知らないが「ソドム」という街は、そんなところだったのではないのか。

本書を読んで、マイケル・ムーアの新作映画を見ることをお勧めする。そこに、

「近未来の日本」

があるのかもしれない。

さあ、「中間選挙」だ!


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(2018、11、3読了)

2018年11月 5日 21:02 | コメント (0)

新・読書日記 2018_144

『三省堂 現代新国語辞典 第六版』(小野正弘主幹、三省堂:2019、1、10)

SNS上では評判の新しい辞書。「三国」の飯間さんも編纂者に名を連ねています。どんな辞書かな?と思って購入。まず帯に、

「全国の先生方が推薦する唯一の高校教会社密着型辞書がいっそうパワーアップ!」

と長いコピーがあります。

そうか、高校生向けか。どの辺が高校生向けかな?と思ってパラパラッと見てみたら、

「2色刷り」

で、割と、

「イラスト」

が入っている。そのイラストはどういうもののイラストかというと、

「姉さんかぶり」「『太鼓橋』など様々な種類の橋」「トロイカ」「馬ぞり」「犬ぞり」「訪問着」

など、ちょっとレトロな、そして社会人なら知っているけど、高校生だと知らない感じのものです。

そして、そういったものは、夏目漱石や森鴎外と言った、

「高校の教科書に載るような文豪の作品に出て来そうな、明治以降のもの」

ですね。そういった配慮をしているのかな。

また「コラム」も載っていて、

「似たような言葉の意味の違い」

について書かれています。「あなた」というコラムでは「相手を指す語」のバリエーションを並べてあったり。そういった意味では「読む辞書」の感がありますね。

すごく新しい言葉を競って載せているのではないけれども、例えば「母校」の意味は「その人が卒業した学校」と「在籍している学校」の両方の意味を載せていて「よしよし」という感じです。

でも、今の高校生が「紙の辞書」を使っているのかどうか。(学校で買って使う、ということはあるかもしれませんが。)そういう疑問は、拭えません・・・。


star4

(2018、10、30購入)

2018年11月 2日 19:20 | コメント (0)

新・読書日記 2018_143

『マリアージュ~神の雫 最終章14』(亜樹直・作、オキモトシュウ・画、講談社:2018、10、23)

麻婆豆腐に合うワインを探すために、中国に。そこで探し当てたのは、「海国・日本」とは違い、中国大陸内部で「にがり」を使わない「石膏豆腐」。そういった違いにも合わせられるワインを見つけられるのか?魅力的な中国人美女の誘惑もあったりして、「007」風の、なかなかワールドワイドなワイン漫画ですねえ。


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(2018、10、28読了)

2018年11月 2日 19:19 | コメント (0)

新・読書日記 2018_142

『マリアージュ~神の雫 最終章13』(亜樹直・作、オキモトシュウ・画、講談社:2018、7、23)

実は「14巻」を買って読み終わってから、

「あれ?13巻を買ってなかった!」

と気付いて購入。この巻も中華料理に合うワインを探す「男2人旅」の修業。"中国マフィア"相手に、限られた食材のマリアージュ。気に入らなければズドン!絶体絶命のピンチ!ピンチはチャンスに!

これは「スティング」です。それにしても中華料理に合うワインって、難しいだろうなあ。


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(2018、10、30読了)

2018年11月 1日 12:49 | コメント (0)

新・読書日記

『宇宙兄弟34』(小山宙哉、講談社:2018、10、23)

また半年、経ったのか、前巻が出てから。本当に規則的に発行されます。マンガです。

年に2回。連載は毎回読んでますが、まとめたら、また、読み甲斐がある。とは言え、あっという間に読んでしましますが。

月面に残されたムッタら2人。緊急手術が必要となった女性飛行士。地球からの遠隔操作での手術も・・・ピンチに次ぐピンチも「仲間を信じる心」で・・・。

「宇宙」が舞台だけど、「宇宙」が舞台だからこその「人間ドラマ」ですね。


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(2018、10、25読了)

2018年11月 1日 12:45 | コメント (0)

新・読書日記 2018_140

『波の上のキネマ』(増山実、集英社:2018、8、30)

知り合いの放送作家の増山さん、作家として物語を紡ぐのも、すっかり順風満帆のようで、うれしいです!

今回の舞台は、兵庫県の尼崎市と沖縄の西表島。しかも入り口は「映画館」「映画」なので、「ニューシネマ・パラダイス」のような、私の好きな感じで始まって、映画館の歴史をたどる中で、創業者である亡くなったお祖父さんの人生を振り返る不思議な旅に出ることに・・・・いい感じですね、ワクワク。

西表島に炭鉱があったのは知らなかったな。「浅沼」というのは「麻生」を髣髴させますね。きっとそうでしょうね。かなり現地取材もやっている感じがしましたね。そうでないと書けないな、これは。甲子園球場、野球も出て来るし、増山さんの好きなものを詰め込んだ「おもちゃ箱」のような小説ですね。

話の中で、沖縄に「Foujita」と署名する画家が出て来る。「藤田」?「藤田嗣治」?

ちょうど京都で「没後50年藤田嗣治展」をやっていたので見に行ったところ、たしかに昭和8年(1933年)に沖縄を訪れているんですね。その国内取材旅行の流れで、秋田で大壁画を描いた。去年、現地で見ました。

増山さん、映画大好きなんやな。

「七人の侍」「タクシードライバー」「君の名は」「ストレンジャー・ザン・パラダイス」「伊豆の踊子」・・・各章のタイトルが全部「映画のタイトル」なんです!

「CITY LIGHTS」=「街の灯」。チャップリンのこの映画、実は見ていない。見たくなりましたよ。


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(2018、10、21読了)

2018年11月 1日 12:36 | コメント (0)