新・ことば事情
6997「レトロスペクティブ」
京都国立近代美術館で開かれている『没後50年 藤田嗣治展』に行ってきました。
そのポスターを見たら、英語で、
「retrospective(レトロスペクティブ)」
と書かれていました。そうか、「回顧展」は「レトロスペクティブ」なのか!
「レトロ」
は日本語の外来語としてもよく使う、
「昔を懐かしむ」
という意味ですよね。そうすると、
「spective(スペクティブ)は『見る』」
というような意味かな。
そこで思い浮かんだのは、
「perspective(パースペクティブ)」
という言葉です。これって、
「完成予想図」
のことですよね。そうか、あの、
「パース」
というのは「パースペクティブ」の略語だったのか!
いやあ、つながってますねね。
調べてみると、「パー・スペクティブ」の「パー(per)」は「through(スルー)」、つまり「通して、貫いて」という意味だそうです。また、
「予測」「予測する」「予測の」
という意味の英語に、
「prospect」「prospection」「prospective」
がありますが、この接頭辞の「pro(プロ)」は、
「後=時間的な後=未来」
という意味ですね。見えて来たぞ!スペクティブ!!