新・ことば事情
6986「西向く士 9月31日」
このところ続けて、
「9月31日」
という間違いに出会いました。
私なんかから言わせれば、
「なんで『9月31日』やねん!9月は『30日まで』に決まってるやん。小学生でも知ってるで!」
というところです。同年代の人に聞いてみても同じ答えです。そして、
「小学校の時に、『西向く士(さむらい)』って習ったから、絶対に忘れへんわ」
という答えも返って来ました。ああ、習った、習った!というか、家で両親から教わったのかもしれないですが。
「西向く士」
というのは、「一年」のうちには、
「大の月」=「31日まである月」
「小の月」=「30日以下しかない月」
があって、「小の月」の覚え方として、
「2・4・6・9・11(月)」=「ニ・シ・ム・ク・サムライ(西向く士)」
という語呂合わせがありました。
「11月」は「十一」なので、縦に並べると漢字の「士」になると。「武士」の「士」です。
これももう、若い人は知らないのかなあ。だから「9月31日」なんて間違いが出て来るのかな。
そうそう、この間の「かんさい情報ネットten.」で、亡くなったおばあさんの誕生日が、
「弐月参拾壱日(2月31日)」
と戸籍に書いてあるのを見つけて、その謎を解いてほしいという依頼が浅越ゴエさんにありました。結論から言うと、本当は、
「拾弐月参拾壱日(12月31日)」
生まれだったんですけど、手書きの戸籍が読みにくくて役所の人がそれを書き写すときに、
「一番上の『拾』を書き落としたために『弐月参拾壱日(2月31日)』になってしまった」
ということだったのですが、「9月31日」は、それと関係ないですよね。