新・ことば事情
6972「ハトとヒト」
先月、同志社グリーのOB合唱団(DOBS)のコンサートに一緒に出させていただきました・・・というのは。このところ2~3回書きましたが、それで学んだ言葉シリーズ。
ドイツ語の歌(「リヒャルト・シュトラスの歌曲集」とドボルザークの「ジプシーの歌」から「我が母が教え給いし歌」)を歌う時の指揮者からの注意に、こういうのがあったのです。
「また『ハト』が、ようけ飛んでるで」
え?「鳩」?室内なのに?外で飛んでるのかな?と思って窓越しに目をやろうとして、ようやく意味が分かりました。
ドイツ語で「夜」の意味の「nacht(ナハト)」の母音部分の「na(ナ)」を伸ばして、
「ナーーーーハト」
と歌って、最後に切る時に語尾の子音の「cht(ハト)」が、みんなバラバラで揃わず、
「ナーーーーーハトハトハトハトハト」
と、「ハト」がたくさん聞こえる(飛び立つ)ということなのですね。
同じように「否定」の意味の「nicht(ニヒト)」も、
「ニーーーーーヒト」
と伸ばして歌う場合に、語尾の子音の「cht(ヒト)」が揃わずに、
「ニーーーーーーヒトヒトヒトヒトヒトヒト」
と、たくさんの「ヒト出」になってしまこともありました。
げに、合唱は難しい。。。。