新・ことば事情
6970「泣ける」
最近、
「泣ける〇〇」
という言葉を、よく目にし、耳にします。そこで、ふと思いました。
「泣ける」の「る」は「助動詞」
ですよね。「泣く」という動詞の「連用形」である「泣け」に助動詞の「る」が付いていますが、その意味は、
「自発」と「可能」
ですね。おそらくこれまでは、
「自発の『泣ける』」
だったんだと思うのです。つまり、
「泣ける映画」
というのは、
「見ると自然に涙が出て来て、泣いてしまう映画」
という意味だと思っていたのですが、最近使われる「泣ける」は、
「ことし一番泣ける映画」
のように「泣くことができる」、つまり、
「可能の『泣ける』」
になってきているのではないでしょうか!?
というのも、
「泣くことが目的」
になってきているから。
これまでは、「泣きたいときに泣くのが普通」だったのに、仕事など日常生活では、それが許されなくなってきている。そこで、
「どこか、思いっきり『涙』を発散させる場所が求められている」
のかもしれませんね。