新・ことば事情
6961「恐妻と鬼嫁」
9月24日の「ミヤネ屋」で、9月15日に亡くなった樹木希林さんと内田裕也さんの"夫婦の形"から、芸能界のさまざまな"夫婦の形"をご紹介しました。
その中で、俳優の遠藤憲一さんの奥さんが、かなり厳しくて、遠藤さんが、
「恐妻家」
であると紹介しました。そのVTRの原稿とテロップにこのような表記が。
「"恐妻"発動」
「実はかなりの"恐妻"」
うん?これは、おかしな表現です。この原稿を書いたディレクターは、明らかに間違っているぞ!「恐妻」とは、
「『恐ろしい妻』ではなく、『妻を(異様に)怖がる夫』のこと」
ですよね!そこで、次のように直しました。
×「"恐妻"発動」→〇「"鬼嫁"発動」
×「実はかなりの"恐妻"」→〇「実はかなりの"鬼嫁"」
まあ、
「鬼嫁」
という表現も、イマドキどうかとは思いましたが、「ミヤネ屋」の同じ時間帯で昔、読売テレビが放送していた、
「2時のワイドショー」
で、毎週「ミヤコ蝶々さん」が相談に応じていた人気コーナーで、
「究極の鬼嫁」
というのがあったのを思い出し、
「同じ時間帯の番組だし、ルーツを感じるような感じで、まあ、よしとするか」
と思って、そういった表現になりました・・・。
「猛妻」
でも良かったかな。「猛獣」みたいだけど。