新・読書日記 2018_129
『歴史と人生』(半藤一利、幻冬舎新書:2018、5、30)
半藤さんがこれまで書いてきた膨大な文章の中から、「人生の教訓」になりそうな一節を「抜き書き」した一冊。という意味では、大変お得な、ためになる一冊なのではないでしょうか。
一つ一つが大変短いので、読みやすいですよ。
その中から一つだけ、全文を「抜き書き」します。170ページ~171ページ。
「積極的平和主義」の真の意味
いつの時代であっても、国の外に敵を想定し、危機感を煽り、挙国一致、精神総動員で国民を愛国化すれば、内なる憂いはすべて解消すると、お偉い人たちは考えるものらしい。いまの日本の、できるかぎりアメリカの「世界戦略」に協力すべきだという「積極的平和主義」なんか、その最たるものといえる。排他主義を正面に押したて、味方は「ここからここまで」ときちんと区分けすることを愛国の本質とする、そんな排他的同調の時代の到来はほんとうに恐ろしいと思うが・・・・(『B面昭和史』)
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