新・ことば事情
6943「停電は戸か?軒か?」
9月4日、関西を襲った「台風21号」は、短い時間に大変な暴風で、関空連絡橋にタンカーを激突させるなど、大きな被害を残しました。
また、西日本各地で「停電」が引き起こされ、台風から2週間以上経っても完全復旧には至っていなかったのですが、今(9月21日正午)関西電力のホームページを見てみると、
「台風21号による停電につきましては、9月20日(木)17時51分に復旧いたしました。長期間にわたりご不便とご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。」
と載っていました。停電発生から16日、ようやくきのう(20日)の午後6時前に復旧したのですね。
さて、その「停電被害の件数を表す助数詞」として従来、放送では「世帯数」を表す、
「戸」
を使っていたのですが、今回のニュースを見ていると、
「軒」
も散見されました。そこで、9月5日に、各電力会社から送られてきたFAXを見てみたところ、
「関西電力」=軒
「中部電力」=戸
「四国電力」=戸
でした。テレビのニュースでも、停電で「軒」を、今回よく目にした原因は、
「関西電力の広報が『軒』を使っていたから」
のようです。
また関連で、9月6日午前3時8分に発生した「北海道胆振(いぶり)東部地震」かんれんのニュースを伝えたNHKのニュースでは、
「295万戸で停電が続いています」
というように、従来通り、
「戸」
を使っていました。
ちなみに、その「時刻」を表す表現が、
「関西電力」=午後9時現在
「中部電力」=午後9時時点
「四国電力」=****(更新日時5日12時50分)
というものでした。従来は、
「〇〇時現在」
だったのが、最近は、
「〇〇時時点」
という表記が増えていることは、以前「平成ことば事情5398『現在』か?『時点』か?」と「平成ことば事情5439『現在』か?『時点』か?2」でも書きましたので、あわせてお読みください。。