新・読書日記 2018_119
『春は曙光、夏は短夜~季節のうつろう言葉たち』(岩佐義樹、ワニブックス:2018、6、3)
新聞用語懇談会でご一緒している毎日新聞校閲部部長の岩佐さんの本。というか、毎日新聞の校閲部がツイッターで毎日出している、クイズというかコラムというか、そんな「言葉」についてのあれこれを、読みやすいように見開き2ページで1つの言葉について書いてまとめたもの。それも俳句や短歌に使えるような「季節を表すことば」が中心で、「1月」から「12月」まで月ごとにまとめてあり、章末には「横書き」でのコラムも。(本文は「縦書き」。)飽きさせないように、工夫が凝らされています。読者としては、俳句や短歌をたしなみ人たちも対象なのではないかなと。
その言葉の語源や、その漢字を読めるかどうかツイッターでアンケートを取った結果なども載っていて、ギューーっとコンパクトにまとまった本だと思います。
ちなみに74ページに載っている「総花的」。
「そうばなてき」と読むのですが、本文に、
「あるアナウンサーは、『総花的(そうばなてき)』の読みを『そうかてき』と思っていたそうです」
と書いてありました。これこれ、岩佐さん、それ、私のことですよね。ちゃんと書くなら書くと言ってください、名前隠しても、バレてますよ。
ということで、親しみやすい一冊です。
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