新・ことば事情
6940「ファシズムの14徴候」
『薔薇の名前』で知られるイタリアの代表的知識人であるウンベルト・エーコの著書に、
『永遠のファシズム』
という本があります。「永遠のファシズム」というのは、
「原ファシズム」
の別名だとエーコは言います。つまり、
「ファシズムの原点」
のようなもののことですね。その本の中に、
「ファシズムの14徴候」
が載っているそうです。それを書き出してみると、
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伝統崇拝
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非合理主義
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反知性主義
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批判の拒絶
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よそ者排除
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欲求不満層の懐柔
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ナショナリズム
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敵の力の判断力欠如
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反平和主義
(10)弱者蔑視
(11)死の崇拝
(12)武器への愛着
(13)ポピュリズム
(14)貧弱な語彙
おお、ほとんど全て、現在の安倍政権とそれを支持する人たちにあてはまるではないですか!最後の、
(13)ポピュリズム
(14)貧弱な語彙
は、「小泉純一郎内閣」に特徴的でしたね。安倍政権も、それを引き継いでいる部分があるでしょう。
この「14徴候」は、たまたまインターネットの記事で知ったのですが、「ぜひ、その本を読んでみたい!」と思って、なじみの本屋さんに注文したら、
「1998年に出て、今は絶版です」
と言われ、古本で見ると「4000円ぐらいする」ので、「図書館で借りるかあ・・・」と思っていたら、なんと、
「8月17日に『岩波現代文庫』から、文庫版で復刊」
しました!しかも940円(税別)というお手頃価格。それを『日経新聞』の読書欄で知って、すぐに本屋さんに走って購入、読みました!ウンベルト・エーコの「講演録」なんですね。読みやすいです。
20年前というのは、「昔」ではなく「現代」です。ある意味これは、
「民主主義の行き着く先について書かれた『予言の書』」
なのかもしれません。