新・ことば事情
6939「3枚 2」
「平成ことば事情877 三枚におろす」や「平成ことば事情983 3枚」の15年ぶりの続編です。
全国高校サッカーの準々決勝「国見高校対帝京高校」の試合で、実況のアナウンサーが、
「フォワードは3枚、登録があります。」
「帝京高校(のディフェンス)、中には3枚」
というような、
「選手の人数を『枚』で数えている」
に関する違和感を書きました。フリーキックの際に、ボールを蹴る人とゴールの間に立つ選手、通常「カベ」と呼ばれる時の選手の人数については、
「カベは3枚です」
というふうに「枚」を使うが、「フォワードが3枚」というふうに攻撃側に「枚」を使うことも可能なのかどうか?という疑問でした。
これに対して、誰かがどこかで(メモしとけよな!と自分に突っ込み)、
「サッカーで選手を『枚』で数えるのは間違い。あれは、バレーボールの松平 康隆監督(1930年1月22日~2011年12月31日)が言い始めたもので、『ブロック』する選手の人数を『枚』で表現したもの」
と話しているか書いているのを、先日聞いた(読んだ)のです。
そう言われると、何だか納得。
「セッターが真ん中でブロックに跳ぶという戦法」(つまり「ブロック3枚」)
は、松平監督が考え出したもののようですし。「バレーボール経由」で「サッカー」に入って来たのかもしれませんね。
最初は「バレーボールのブロックする選手の人数」と同じく「守備」に関しての、
「フリーキックに対する壁の選手人数」
に使われていたものが、次第に「守備」に限定せずに、
「(単に)選手の人数」
に使われるようになっていったのかもしれませんね。
今度、サッカー担当のスポーツアナウンサーに聞いてみます。