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『道浦TIME』

新・ことば事情

6921「防犯カメラに映る?写る?」

8月12日の夜、大阪府警富田林警察署の面会室から、樋田淳也容疑者(30)が、アクリル板を破って逃走してから2週間。その行方は杳(よう)としてしれません。

8月27日のお昼のニュース前に、報道のOデスクに、

「防犯カメラに『ウツル』という場合は、『写る』『映る』、どちらでしょうか?」

と質問を受けました。それに対して私は、

「カメラで『ウツス』ならば『写す』だけど、『ウツル』の主体は『ウツッタもの』つまり『映像』なので、画面かスクリーンなどで確認しないとわからない。確認したもの、という意味では『映った』でいいと思うよ。『防犯カメラで写した映像に映っていた』を省略して『防犯カメラに映った』ではないかな。それと、『スチール写真』の場合は『写す・写る』、『ビデオなど動画』の場合は『映る』の傾向が強いのではないかなあ。」

と答えて、放送では、

「防犯カメラに映った男」

「映った」が使われました。

このひ(8月27日)の夕刊を見たところ、

(毎日)防犯カメラに映っていたのは

(産経)防犯カメラに、樋田容疑者とみられる男の姿が写っていた

と表記が分かれていまsした。NHKのお昼のニュースでは、

「写って」

を使っていたとOデスクが話していました。

8月28日の「読売新聞」朝刊では、同じ事件を取り上げて、

「映っており」「映っていた」

「映」を使っていました。具体的には、

「複数の防犯カメラに、樋田容疑者らしき男は署の近くで自転車を盗んで北に向かう姿が映っており」

「複数の防犯カメラに男が黒い原付バイクで走っている様子が映っていた」

というものでした。

(2018、8、28)


(2018、8、27)

2018年8月27日 20:11 | コメント (0)