新・読書日記 2018_115
『テレビ最終戦争~世界のメディア界で何が起こっているか』(大原通郎、朝日新書:2018、7、30)
テレビとインターネットの戦いの最前線、最新情報。アメリの状況を中心に。大変勉強になりました。
これを読んでいると地上波テレビ局も、ネット時代の対応に速やかにシフトしていかないとあと10年、保たないのではないか?と思いますが、10年後には私はもうとっくにリタイアしているし、若い世代に頑張ってもらわないとな、と思ってしまいました・・・。
序章が「日本のテレビが危ない」。若者のテレビ離れが起きていると。確かに、うちの大学生の息子も「テレビは、ほとんど見ない」と言っています。中2の娘は「録画して」よく見ていますが。そう「録画して」。録画するとコマーシャル(CM)を飛ばすことができるから、民放のスポンサーにとっては折角CMを出しても意味がない。だから、
「録画しないで放送時間にリアルタイムで見てもらう」
ことが重要なんですね。でも、
「その時間にしか、見られない」
ことからテレビが敬遠されて、
「自分の好きな時間に見られる」
という「自由」を選べるようになってきた。
そういえば海外旅行の時の「飛行機の中で上映される映画」も、昔は共通のスクリーンや画面に出ていたものを見るだけだったので、「見られる映画の種類」も「開始時刻」も選べなかったのに、今や、それぞれのスクリーンに数百種類の映画の中から選んで、好きな時間から見ることができるようになっていますよね。
それが「地上波テレビ」の世界にも押し寄せてきているんだと思えば、「なるほどねぇ」と思います。
「第1章」の「ネットフリックスの衝撃」は、つまりそういうことですね。インターネットで「動画(番組)」を流すと、みんなそちらを選択するようになると。そこにフェイスブック、グーグル、アマゾンも参入してきた。
そうそう、うちの近所のレンタルビデオ店「TSUTAYA」が、最近閉店したんですが、わざわざ借りに行って・・・それは、まあいいとしても、
「期日までに店舗まで持って行って返却しなければならない」
という点で、ネット動画配信に劣るんですね。どんどんみんな「便利な方へ」進むんだよな。
そしてイギリスの会社「パフォーム」が日本に進出してきました。と聞いても、ピンときませんでしたが、
「DAZN」
というインターネットチャンネルが、Jリーグの中継権を、なんと、
「10年で2100億円」
という巨額で契約を結んだという話は聞いていました。その親会社が「パフォーム」なのだそうです。知らなかった!やはり「コンテンツ」を押さえた者が、優位に立つのか?特に「言語」を介さなくてもわかる、サッカーなどの「スポーツ」は、コンテンツとして大変優秀ですよね。
日本のテレビ業界、またネット業界は、こういった海外からの攻勢にどう立ち向かっているのか?そのあたりは「第9章さあ、どうする日本の放送業界」に記されています。この章の最後の項目は、
「東京オリンピックが最後のチャンス」
ということは「あと2年」なのか・・・どうする?テレビ局!?